2025.09.29

【B1クラブ展望/滋賀】「前田体制継続で再建へ…Bプレミア見据えた若手育成と底上げ」

昨季は全体で最下位だっただけに、前田HCの手腕に期待がかかる [写真]=B.LEAGUE

 1年でのB1復帰を果たしたものの、昨シーズンの滋賀レイクスはわずか8勝でB1全体最下位と厳しい現実を突きつけられた。その経験を糧にし、来シーズンからのBプレミアに向けて良い感触を得ることができるか。

 前田健滋朗ヘッドコーチが続投し、日本人選手の顔ぶれも昨シーズンとほぼ変わっていないため、チームとしての積み上げや底上げが問われることとなる。その中で、チームにプラスアルファをもたらす存在となり得るのが西田陽成だ。昨シーズン中盤に特別指定選手として加入したが、手術のため試合出場はなく、今シーズンが事実上のデビューの年。先にBリーグでプレーしている2人の兄、シーホース三河でプレーする兄の西田優大西田公陽に劣らぬシュート力で、カンフル剤となることが期待できる。

 外国籍選手は3人全て入れ替わる形となったが、一昨シーズンのB1復帰に貢献したライアン・クリーナーが戻ってきたことは好材料だ。そのプレースタイルをよく知る田原隆徳野本大智とのコンビネーションで、チームとしての必勝パターンを構築したい。ザック・オーガストトーマス・ウィンブッシュもクリーナー同様に速い展開で活きるタイプとあって、トランジションオフェンスに磨きがかかるはずだ。

 そのトランジションオフェンスを繰り出すためにも、ディフェンスの強化は必須。リーグ最少だったディフェンスリバウンドと、リーグ最多だったファウルの多さをいかに改善できるかが最優先事項だ。ロスターの多くを占める若手は、昨シーズンの間に多くの学びを得た。今シーズンも着実に成長し、若さを勢いに変えて上位進出を目指したい。

■KEY PLAYER/SF・PF #34 長谷川比源

さらなる成長が期待される長谷川 [写真]=B.LEAGUE

 元プロ選手を父に持つ長谷川は、昨シーズン途中に滋賀の特別指定選手となってプロに転向。終盤はスターターに定着し、ダブルダブルを達成した試合もあった。まだ線は細いが、恵まれた高さと非凡なシュート力を併せ持ち、将来性は申し分なし。オフの間にアメリカ・Gリーグのドラフト指名を受けたことが何よりの証明であり、バスケを始めてまだ5年程度しか経っていないという事実も、成長の余白の大きさを感じさせる。日本代表はもちろんのこと、NBAも視野に入れる20歳の大型フォワードは、シーズン中にもどんどん進化していくに違いない。

文=吉川哲彦

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