2025.11.20
11月19日、バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング22位)が練習を公開した。「FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window1」に向けて準備が進む中、宇都宮ブレックスの高島紳司が囲み取材に応じた。ブレックスでプレーの幅を広げ、昨シーズンから今シーズンにかけてクラブ内での存在感を高めてきた25歳は、今回初めてA代表の本格的な合宿メンバーに名を連ねている。現状の気持ちを聞くと、「緊張しつつも、自分の持ち味を出さないといけない。特に短い期間なので強く思っています」と語り、「出来上がっているチームに入る感覚があるので、短い時間でアジャストしなければ選ばれない。悔いなくやりたい」と力を込めた。
今回の選出に至るまで、代表入りを特別に意識していたわけではなかった。「まずはチームで自分のプレーをアピールしないと(代表候補に選ばれることは)難しいと思っていたので、そこにフォーカスしてやってきた結果だと思います」と話し、宇都宮での積み重ねが評価につながったと受け止めている。昨シーズンからプレータイムを伸ばし、役割を確立してきた流れが自然と今回の招集につながった。
今回の合宿では、チームの約束事やルールを短期間で把握し、遂行することが最優先となる。「新しく入っている身なので、まずはルールを覚えて遂行することにフォーカスしています」と語りつつ、過去にディベロップキャンプへ参加した際のトム・ホーバスヘッドコーチに指導を受けた経験が理解を進める助けにもなっている。「初めてではありますけど、その前のキャンプに入っていたこともあったので、思い出しながらやれています」と落ち着いた様子を見せた。
代表活動では、普段は敵として対戦する選手たちとともにプレーすることになる。「トップの選手ばかりなので楽しいし、ワクワクしています」と話し、合宿特有の刺激を楽しんでいるようだ。「自分の得意なプレーを知っている選手は少ないので、発信したり、プレーで示したりしないといけない」と語り、短期間で自分を理解してもらう必要性も強く意識している。
クラブの先輩で、日本代表として長く活動してきた田臥勇太と比江島慎からは、合宿前に言葉をかけてもらった。「田臥さんからは『頑張ってこい』と声をかけてもらいましたし、比江島さんからは『チームでやっていることをやれば大丈夫』と言ってもらいました」。普段から高島の姿を見てきた2人が、そのままの姿勢で臨むよう背中を押してくれたという。

比江島からは「チームでやっていることをやれば大丈夫」とアドバイスを受けた [写真]=バスケットボールキング
国際経験としては、『バスケットボール チャンピオンズリーグ アジア(BCL Asia)2025』でのプレーも今回の自信につながっている。レバノンのガードを守り切った試合について、「(レバノンの)代表選手だとは正直知らずに守っていましたが、(アジアカップでの)日本戦を見てメインで出ていた選手だったと知り、すごく自信になりました」と振り返った。「やってきたことは通用していたと感じました」と話し、国際レベルへの適応に手応えを示した。
チャイニーズ・タイペイとのWindow1に向けて高島に求められる具体的な役割に関わる部分である。ホーバスHCは会見で、高島のオンボールディフェンスを代表にとって重要な要素と評価している。チャイニーズ・タイペイの攻撃は1番と2番のガードが起点となるため、試合の立ち上がりでどれだけフロントコートからプレッシャーをかけられるかが鍵になる。代表の指揮官はその部分を高島に託す意図を示していた。
高島自身も「台湾戦の1番2番が強力で得点力もあるとおっしゃられている」と指揮官の期待を理解している。「そこに対して自分の持ち味を出せればいい。できなければここにいる意味がないと思っています」と語り、守備で存在感を示す必要性をしっかり受け止めていた。
自身のディフェンスについては「前からプレッシャーをかけて相手のエントリーを遅らせたり、ボール運びをさせないディフェンスをBリーグでもやっている」と説明する。サイズを生かしつつ、小柄な相手にもつける機動力がある点が強みである。
チャイニーズ・タイペイのガード陣については、映像で事前にチェックしている。「起点となって攻めてくるチームだなと感じました。止められるところはあると思いますし、止めるだけだと思っています」と冷静に語り、役割への準備を進めていた。「怖さはないです。できることをやるだけです」と話し、落ち着いた姿勢で試合に臨む構えを示した。
クラブを背負う意識については「そこまでの余裕はないです。まずは選ばれるためにアピールすることが最優先です」と率直に語った。「できることを徹底して、それで落ちたら仕方ない。悔いなく終わりたい」と話し、自身をボーダーライン上と捉えながらも挑む姿勢を崩さなかった。
Window1では、チャイニーズ・タイペイのガード陣をどれだけ抑えられるかがポイントになる。短い出場時間でも相手の流れを止め、チームに勢いをもたらせるか。高島紳司がディフェンスでどのような働きを見せるのか注目される。
文=入江美紀雄
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