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Bリーグがクラブの社会的価値を独自算出…琉球ゴールデンキングスの試算を一例として公表

琉球の2024-25シーズンにおける社会的価値が約182億円、経済波及効果が127億円と試算 [写真]=B.LEAGUE
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 Bリーグは1月13日、同日に行われた理事会後のメディアブリーフィングにおいて、Bリーグクラブが地域社会にもたらす価値を定量化した第三者調査の結果について説明した。会見に臨んだ島田慎二チェアマンは、本調査をクラブの社会的価値を可視化する取り組みと位置付け、その一例として琉球ゴールデンキングスの算出結果を紹介した。

 今回の調査は、BリーグとEY Japanが共同で実施したもので、クラブ活動が地域に与える影響を経済面と社会面の双方から整理することを目的としている。島田チェアマンは「今日の理事会で新たに決まった話ではなく、これまで継続的に議論してきた内容を、このタイミングでまとめて伝えている」と説明し、単発の施策ではない点を強調した。

 EY Japanは、監査や税務、経営アドバイザリーなどを手がけるプロフェッショナルサービスファームで、EY(アーンスト・アンド・ヤング)の日本組織にあたる。Bリーグとは、クラブやリーグが地域社会に与える影響を第三者の立場から可視化する取り組みで協業しており、今回の調査では分析手法の設計やデータ整理を担当した。

 調査結果の一例として示された琉球については、2024-25シーズンにおける社会的価値が約182億円、経済波及効果が127億円と試算された。これらの数値は、クラブの存在や活動に対して地域住民が感じる価値を、一定の手法に基づいて金額換算したものであり、実際の売上や収益を示すものではない。

 社会的価値の算出には、WTP(Willingness to Pay/支払意思額)の考え方が用いられている。暮らしやすさ、地域への愛着、安心安全、健康、モチベーション、環境意識といった項目について住民アンケート等を通じて整理し、それぞれを金額換算した上で合算する手法である。島田チェアマンは、こうした手法について「これまで見えにくかった日常的な活動の価値を、第三者の視点で整理する試み」と説明した。

 琉球の例では、観戦や関連活動を通じた健康維持による医療費削減効果として約5500万円が試算されたほか、クラブの存在が地域への再来訪意向や生活実感に与える影響についても分析が行われ、プロスポーツクラブが存在しない比較対象都市との違いが整理された。

 なお、経済波及効果については算出手法や前提条件によって幅が生じるため単純な比較はできないものの、一般的には地方都市を本拠地とするプロ野球やJリーグのクラブでは数十億円から100億円台と試算される例が多い。より大都市圏を本拠地とするクラブでは100億円台後半から200億円規模に達するケースもあり、プロ野球の1軍本拠地では、これを上回る数百億円規模の試算が示されることもある。今回示された127億円という数値は、そうした一般的なレンジの中で整理されるものであり、特定の優劣を示すものではない。

 島田チェアマンは、こうした数値の受け止め方について「大きい、小さいと評価するものではない」とした上で、「各クラブが自治体や行政と対話する際の説明材料として使ってほしい」と述べた。社会的価値の可視化は、クラブの規模や成績を測るための指標ではなく、地域における役割を言語化し、共通認識を形成するためのものだという。

 今回の調査では複数のBリーグクラブを対象に分析が行われているが、個別の数値が具体的に示されたのは琉球のみとなっている。Bリーグとしては、まず一例を示すことで、クラブと地域、自治体との間で議論を進めるための土台を提示した形だ。

 島田チェアマンはまた、社会的価値の可視化をリーグ全体の動向とも結び付け、B1の平均入場者数が5000人を超え、B2も3000人に迫っている現状にも触れた。数値を用いながら、クラブが地域社会にどのような影響を及ぼしているのかを示していく姿勢は、今後のリーグ運営においても重要な視点となりそうだ。

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