2019.10.29
試合は静かな立ち上がりを見せる。A東京は安藤誓哉、田中大貴からアレックス・カークへパスがつながり得点を重ねていく。対する三河も金丸晃輔にボールを集め、第1クォーターでチームが奪った16点のうち、金丸が8得点とチームを牽引していった。
試合が動いたのは第2クォーター、A東京のディフェンスにタフショットを強いられた三河の得点が止まった中盤、カーク、安藤、田中が一気に攻め立てる。三河の鈴木貴美一ヘッドコーチはタイムアウトを請求してA東京の流れを切ろうとするが、オフィシャルタイムアウトを加えた3度のタイムアウトでもそれを止めることができず。約3分間無得点の状況が続き、A東京はリードを15に広げてしまった。
後半に入ってもA東京のディフェンスに苦しんだ三河だが、第3クォーターには岡田侑大や熊谷航らの若手組が奮起。2人で11得点を挙げる活躍を見せたが、攻防において主導権を渡さなかったA東京がそのままゲームを進め、今シーズン初の顔合わせを勝利で終えた。
試合後の記者会見でA東京のルカ・パヴィチェヴィッチHCは「水曜開催ゲームが2週連続で続く中、選手たちは疲れていたがしっかりとプレーしてくれた。三河はリーグでもトップクラスのオフェンスが武器のチーム。それに対して試合に出られる8名の選手がハイレベルのディフェンスを40分間ほとんどの時間帯でやり遂げてくれた」と選手たちを称えた。
またオフェンスに関して質問が及ぶと、ルカHCは「ピック&ロールやポップから、パスをしっかり展開してボールを左右に振ってからアタックできた」と満足げな表情を見せた。この試合、田中大貴が10個、安藤誓哉が7個のアシストを供給。「(ケガで離脱の小島)元基、(Gリーグ・テキサス・レジェンズと契約する馬場)雄大がいない中、メインのクリエーターは大貴と誓哉だ。彼らからいいパスが供給されているが、今日に関してはチームメイトが決めてくれた結果」と、冷静に分析した。
それでも「試合の終わり方は良かった。1桁の点差で終えたのは明日につながると思う」と次戦に向けて気持ちを切り替えた。A東京のディフェンスに対しても「しっかりとスクリーンを使いながら攻めれば慌てることはない」とコメント。試合の終盤にはガードナー、金丸をベンチに下げて明日に備えていただけに、第2戦の戦いぶりに注目が集まる
文=入江美紀雄
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