2023.12.15

【B2第12節見どころ】岩手と山形による“東北ダービー”はマーティンとベルのマッチアップに注目

ホームに山形を迎え撃つ岩手 [写真]＝B.LEAGUE

吉川哲彦

2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

岩手ビッグブルズ

2023.12.16 17:00 T.O.
試合終了
盛岡タカヤアリーナ

山形ワイヴァンズ

　新潟アルビレックスBB戦の連勝を機に上昇ムードに乗りたい岩手ビッグブルズだったが、前節は越谷アルファーズの地力を打破することができなかった。それでも第1戦は10点差、第2戦は9点差と競った展開に持ち込み、特に第1戦は63失点とディフェンス力を示すことができた。2戦を通じてターンオーバーも決して多くはなかったことを考えると、課題はやはり決定力ということになるだろう。エリック・トンプソンは4試合でまだ2ケタ得点が一度もなく、早急にフィットさせたい。

　上位との対戦が続いた山形ワイヴァンズは5連敗中。昨シーズン相性の良かったアルティーリ千葉と対戦した前節は、第1戦で3ポイントシュートを高確率で被弾し、第2戦はインサイドを守れず、いずれも100失点を超えて早くも同カードの負け越しが決まった。村上慎也や白戸大聖など日本人選手の得点力が光り、特に第1戦は今シーズン2番目に多い99得点まで伸ばしただけに、ディフェンス面が悔やまれる結果となった。まずは“借金”「5」を少しずつでも返していきたい。

　今シーズンのB2“東北ダービー”6カードのなかで唯一未消化だったこの顔合わせは、1試合平均70失点未満という岩手のディフェンスが、山形のオフェンスをいかに封じるかという点に注目したい。なかでも、スティールランキング1位のケルビン・マーティンと、昨シーズンの得点ランキングで6位につけたジェームズ・ベルのマッチアップは必見だ。

山形のオフェンスをけん引するジェームズ・ベル [写真]＝B.LEAGUE

　前々節のバンビシャス奈良戦に続いて、ライジングゼファー福岡は前節のベルテックス静岡戦も第1戦で黒星。第2戦を取り返したが、滋賀レイクスが1ゲーム差に肉薄する。愛媛オレンジバイキングスは青森ワッツとの熱戦を2戦とも取れず、これで8連敗。第2戦は第4クォーター途中の15点差を追いつきながら、延長で敗れてしまった。ただ、開幕節第2戦で愛媛は福岡に勝利。前節絶好調だった古野拓巳の活躍で、西地区首位に今回も一泡吹かせたいところだ。

　その愛媛との接戦を勝ちきった青森は、池田祐一が第1戦で10アシスト、第2戦で14得点15アシストとその働きにすごみが出てきている。一方、新潟アルビレックスBBは熊本ヴォルターズに2戦とも8点差と善戦したが、連敗は「12」に伸びた。出場時間の偏りが改善されないなか、第2戦では池田雄一が今シーズン3番目に長い17分16秒出場。B2屈指のガードに成長しつつある青森の司令塔に対し、B2唯一となる40代選手の意地を見せることができるか。

　福島ファイヤーボンズは神戸ストークスに対し、第1戦は前半のリードを守れず落としたものの、第2戦はグレゴリー・エチェニケや土家大輝などの活躍で相手の追い上げをかわして勝利。対する奈良は滋賀の地力に屈し、6連勝から一転して3連敗中だ。前々節に戦列復帰したキャメロン・ジャクソンがまだ本調子でないが、前節第2戦は11分10秒出場で7得点9リバウンドを記録した。外国籍選手の能力が高い福島に対抗するには、ジャクソンの完全復調が不可欠だ。