Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
「自分の中ではちょっと良くなってきたかなと……」
富永啓生(3年)の3ポイントシュートにエンジンがかかってきた。
12月26日に行われた「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」男子3回戦で、桜丘高校(愛知県)の富永は7本の3ポイントを成功させて計45得点をマーク。今夏のインターハイ覇者である開志国際高校(高校総体1/新潟県)を89-75で倒す原動力となった。
点取り屋として、チームの勝利と同じくらい自分が得点を取ることにこだわりを持つエースは、1、2回戦ともに36得点を挙げて桜丘を勝利へ導いてきた。しかし、彼の代名詞とも言える3ポイントは初戦で14分の2、2回戦では確率こそ良くなったものの、9本中3本成功と影を潜めていた。
「1、2試合目は決めたいという気持ちが前に出てしまって、それでちょっとしたブレで入らなかった部分がありました」
開志国際戦では最初のフリースローチャンスを外したが、チーム初得点を自身の3ポイントで記録。しかも、3ポイントラインから1メートル程離れた位置からだ。「自分が点数を決めないといけないんですけど、何も考えずにリラックスして打つことが大事だと思った」と、これで感触をつかんだ富永は、内外のバランスの良い攻撃で的を絞らせなかった。
「インターハイ優勝校を倒したい」。その気合いは行動にも表れ、53-49で迎えた第3クォーター中盤にトップの位置から3ポイントを沈めると、拳を振り下ろしガッツポーズ。続けて2階席に陣取る応援団へ向け人差し指を突きあげた。また、この試合最後の得点となる89得点を決めた後には、両手を広げて喜びを表現した。
「楽しまないともったいない」
世代屈指のスコアラーが目指すのは、ただの勝利ではない。楽しんで、勝つことだ。
ウインターカップはいよいよ明日から1面のみで全試合が行われるメインコート。見ている人が楽しくなる富永のプレーに、より多くのバスケファンが酔いしれるだろう。
文=小沼克年