2021.07.24

インターハイ男子注目選手(7)介川アンソニー翔(開志国際)「今夏ブレイク必至の”赤虎”」

オールラウンドなプレーを見せる介川アンソニー翔[写真]=小沼克年
フリーライター

 7月25日から30日にかけて新潟県で行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。2年ぶりとなった夏の祭典に向け、バスケットボールキングでは大会で注目の選手をピックアップした。

■男子注目選手(7)介川アンソニー翔(2年/開志国際高校/新潟県)

 2度目のインターハイ制覇を狙う開志国際高校(新潟県)に、強力な戦力が加わった。今春から同校へ転入学した介川アンソニー翔(2年)だ。

「中学の2年間はアメリカでバスケットをしていたのですが、コロナ(ウイルス)の影響で日本に帰ってきました」と話すアンソニーは、インサイドプレーに加えハンドリングやボールプッシュもそつなくこなし、3ポイントシュートも高確率で射抜く。得意なプレーを聞くと、「ドライブと3ポイントシュート、ディフェンス、リバウンド」と次々に答えが返ってきた。

 端正な顔立ちで、決してムキムキとは言えない細身の体つきだが、196センチの上背で軽快にコートを駆け回って得点を決め、アシストもさばく。その姿は、十分にスター性と将来性を感じさせる。

 そのダイナミックさとオールラウンドな動きを可能にしている一つの要因は、生まれ持った身体能力の高さだ。富樫英樹コーチいわく、たとえ目の前にディフェンスがいたとしても、自分が行くと決めたら平気でダンクを試みるという。

 現在の課題をたずねると、「足の筋肉をもっとつけて、瞬発力やディフェンスの踏ん張りを強化していきたい」と介川。これについては富樫コーチも「まだまだ足(脚力)がない」と同様の意見を述べた。しかし、「時間はかかるかもしれないですが、とても素直な選手なので、もしかしたら(今以上に)上手くなっていくと思っています」と続け、指揮官はより優れたプレーヤーへ育てることに意欲を示している。

インターハイで全国デビューとなる介川[写真]=小沼克年

 開志国際のチーム名である『RED TIGERS』は、コートに立った介川にもピタリとハマっているように感じる。

「全国のみなさんにはファーストブレイクからのドライブとダンク、3ポイントも見てもらいたいです」

 自身初のインターハイの舞台は、奇しくもチームにとっての地元。本場・アメリカの空気を吸った“赤い虎”が、開志国際に2度目の栄冠をもたらす存在になれるか注目だ。

取材・文・写真=小沼克年

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