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7月25日から30日にかけて新潟県で行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。2年ぶりとなった夏の祭典に向け、バスケットボールキングでは大会で注目の選手をピックアップした。
■男子注目選手(4)田中流嘉洲(3年/中部大学第一高校/愛知県)
優勝候補の一角と目されている中部大学第一高校(愛知県)において、必要不可欠な存在が3年生でパワーフォワードの田中流嘉洲だ。
6月12、13日に行われた「第68回東海高等学校総合体育大会」では「自分の仕事はリバウンドなので、できるだけ意識してやっていました」と語るように、力強いリバウンドからのシュートなどで得点を量産。本人は「まだまだです」というものの体の強さに定評があり、バスケットカウントなどでも度々チームを盛り立てた。また、それだけでなく、ディフェンスでの声掛けなども積極的に行い、あらゆる面で優勝に貢献した。
昨年同様、今年も新型コロナウイルス感染症の影響で公式戦が少ない中、東海大会優勝には「勝ててうれしいです」と安堵の表情を見せた田中。それでもインターハイに向けて話を聞くと、「イージーショットを落とし過ぎました。それに修正点はいっぱいあるので、そこを直して100パーセントにしたいです」としっかりとした口調で課題を挙げる。さらにチームに関しても「相手にセカンドチャンスを与え過ぎてしまったこと、あとはゾーンディフェンもまだ十分ではないと思います」と冷静に語った。
その田中が目標とする選手は、東京五輪の日本代表メンバーでもある八村塁(ワシントン・ウィザーズ)。「同じポジションなので、1対1などでどういった動きをしているのか見ています」と、八村の動きを参考にしているそうだ。
そんなポイントゲッターについて指揮を執る常田健コーチは「もう少し周りを見て冷静にプレーしたら、さらに良さが出てくると思います」と期待を寄せる。
昨年はインターハイが中止。最上級生として迎える今大会は最後の夏の全国大会となる。「チーム全員、“やってやろう”という気持ちがあって雰囲気はいいです」とチーム事情を語った田中。「得意とするリバウンドシュートを見てほしいです」と、いよいよ迎える大一番でも体を張ったプレーでチームを引っ張る構えだ。
写真=山田智子
取材・文=田島早苗