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大会ベスト4をかけた「令和3年度 全国高等学校総合体育大会 男子バスケットボール競技大会」の準々決勝、前橋育英高校(群馬県)は地元・新潟県代表の帝京長岡高校に挑んだが、最終スコア55−100で敗れた。
チームの最高身長が191センチの前橋育英に対し、帝京長岡は205センチの留学生を2枚擁するチーム。その1人のコネ ボウゴウジィ デット ハマード(2年)には32得点16リバウンドを献上した。しかし、決して高さの違いだけで負けたわけではない。
「まずはブレイクを狙おうとしましたが、出だしが良くなかったです。相手が前から当たってきていたというのもありますけど、8秒ギリギリにフロントコートに入るのではなく、ミスしてもいいからもっと速い展開に持っていきたかったです」と加賀谷寿コーチが言えば、キャプテンの久岡賢太郎(3年)はこう振り返る。
「高さ以前に、自分たちよりリバウンド、ルーズボールといったボールへの執着心が強かったです。そこの部分が大事だということをいつも加賀谷さん言われているんですけど、相手の方が上手でした」
チームはシュートが入りだした第2クォーターこそ25−25としたものの、完敗とも言える内容でインターハイを終えた。
関東を無敗で勝ち抜いたシード校として今大会に臨んだ前橋育英。結果としてはベスト8という成績を残したが、1勝を挙げるに留まった。3回戦で戦うはずだった北陸高校(福井県)が辞退を発表したからだ。北陸に加え、今大会は28日までに実践学園高校(東京都)、近畿大学附属高校(大阪府)の3チームが、無念にも新型コロナウイルスの影響により辞退を発表している。
久岡は正直に打ち明ける。「北陸さんとの試合がないまま全国ベスト8に入ったことは不本意でした」。しかし、「北陸さんの分まで勝たなければいけない」というが新たな想いが芽生えたことで、自身のモチベーションは下がらなかったという。
久岡は試合後のインタビュー中、こうも話した。
「実践学園さんもコロナの影響で辞退してしまって……。関東で(ベスト8に)残っていたのが自分たちだけだったので、そういった意味でも関東代表として勝ちたかったです」
確かに、前橋育英にとっては正直に喜べる全国ベスト8ではないかもしれない。それでも加賀谷コーチは「どのチームも目指してくる場所ですし、彼らにとってはウインターカップに向けて良い経験になったと思います」と、こうしてメインコートに立てたことを前向きに捉える。
自他ともに認める絶対的エースも、高校最後の夏を終えて、冬のウインターカップを見据えた。
「留学生がいてもそれをかいくぐって得点を取るようになりたいですし、今以上に自分がマークされるかもしれないので、もっと味方を生かすプレーができるよう突き詰めていきたい。この大会を経て、まだまだリバウンドとルーズボールの強化が足りていないことがわかりました。次の大きな大会はウインターカップなので、小さくてもしっかり戦えるチームになれるように練習を重ねて、開催されたらチャレンジャーとして戦いたいです」