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7月28日、「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の準々決勝が行われ、男子のベスト4が出そろった。
4チームの顔ぶれは福岡大学附属大濠高校(福岡県)、中部大学第一高校(愛知県)、帝京長岡高校(新潟県)、仙台大学附属明成高校(宮城県)となる。
福大大濠と中部大第一、前評判の高かった2チームが準決勝へと勝ち上がってきた。
福大大濠は、2年生エースの湧川颯斗をはじめ、針間大知、泉登翔(ともに3年生)と得点力の高い選手がそろう。初戦となった2回戦では能代科学技術高校を相手に93得点。三重県の津工業高校との3回戦でも104点。さらに東海大学付属諏訪高校(長野県)と対戦した準々決勝でも91得点を挙げた。
ガードからセンターまでバランス良く得点を挙げる福大大濠。さらにチームを勢いづかせているのが「FIBA U19 ワールドカップ2021」にU19日本代表として出場し、帰国後の隔離期間を終えて、準々決勝からチームに合流した岩下准平(3年)と川島悠翔(1年)の存在だ。
「1試合通して良かったわけではないですが、試合の中で修正できました。そこは3年生(6人)がいるおかげ。岩下、川島が入ったことで県予選頃の雰囲気に戻りつつあります」と片峯聡太コーチ。福大大濠はさらに層が厚くなって準決勝を迎えることとなる。
一方の中部大第一も福大大濠と同様にガードからセンターまで得点力は高い。ガードの下山瑛司(2年)がケガから復帰したことで速い展開からの得点が増え、準々決勝では、下山に呼応するように坂本康成(2年)が3ポイントシュート5本を沈めた。
さらに194センチのオールラウンダーの福田健人(3年)。そして何よりアブドゥレイ トラオレと田中流嘉洲(ともに3年)のインサイド陣は強烈だ。準々決勝でも54本のリバウンドの内、26本を2人で稼いだ。
準決勝を見据え、常田コーチは福大大濠の岩下らの加入を「彼らがいない間にチャンスと捉えてやってきたメンバーが良くなってきています。そこにエース格の選手たちが帰ってきた。これまでのデータとはまた違うし、とても厄介だと思います」と警戒する。それでも最後は「ストロングポイントでバスケットしていきたいです」と準決勝に向けてのポイントを語った。
新潟県代表としてベスト4まで駆け上がったのは帝京長岡。前橋育英高校(群馬県)との準々決勝ではコネ ボウゴウジィ デット ハマード(2年)が32得点16リバウンドの活躍で、攻撃の起点として役割を果たした。加えて、田中空、古川晟(いずれも3年)ら、コネ以外の4人も2桁得点をマーク。100点ゲームで準決勝進出を決めた。
帝京長岡は、走力とタフなディフェンスが特長で選手たちがコート狭しと走り回る。準決勝では明成の高さにハンディを負うが、スタミナでそれを補いたいところだ。
「明成さんのシュート力とディフェンス力にどれくらいまでやれるのか。リバウンドなど高さにどれぐらい通用するかを考えたいです」とは、帝京長岡の指揮を執る柴田勲コーチ。「今年はなんとか新しい歴史を一緒に作ろう」と選手には話をしているようで、悲願の決勝進出をチーム一丸で目指す。
その帝京長岡と対戦するの明成は、昨年12月に行われたウインターカップの覇者だ。スタメンの平均身長も高く、ここまでの3試合を危なげなく戦ってきた。
明成も大濠と同じく昨年ウインターカップでも主軸を担っていた山﨑一渉(3年)、そして山﨑とともに得点源を担う菅野ブルース(3年)が「FIBA U19 ワールドカップ2021」に出場していたため、今日のあ、準々決勝が合流してから最初の試合となった。その2人は山﨑が18得点、菅野が24点という数字を残し、チームも快勝したが、「出だしは良かったですが、その後に緩んでいたので、いいのか悪いのか分からない」と佐藤久夫コーチ。山﨑と菅野についても「まだインターハイになじんでいない」とコメントした。
それでも、2人が不在のときに支えてくれたメンバーとして丹尾久力、山崎紀人(いずれも3年)、内藤晴樹、八重樫ショーン龍(いずれも2年)の名前を挙げ、「そのまま一緒になってやってくれば」と、それまでのチームと合流したエースたちが融合し、プラスの作用をもたらすことを期待していた。
2年ぶりの開催となったインターハイ。実力伯仲の準決勝は明日9時半より第一試合が行われる。
取材・文=田島早苗