2021.12.28

【ウインターカップ女子決勝見どころ】桜花3連覇なるか、京都精華初優勝か…カギを握るのはセンターでの攻防

決勝戦のカギを握る桜花の朝比奈(右)と京都精華のイゾジェ [写真提供]=日本バスケットボール協会
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 12月28日、「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子決勝戦が行われる。晴れの舞台にコマを進めたのは夏のインターハイを制した桜花学園高校(愛知県)と京都精華学園高校(京都府)だ。

 ちなみに、そのインターハイで両校は準決勝で顔を合わせており、このときは66−63で勝利。しかし、残り2.3秒まで同点という試合展開の中、桜花学園の朝比奈あずさ(3年)がバスカンを決め、ボーナススローを沈めて3点差で何とか振り切ったという展開だった。

 今大会3連覇を目指す桜花学園は安定した試合運びをしている。持ち前の安定したディフェンスを軸に、オフェンスではエースの朝比奈と、夏以降急成長を遂げている横山智那美が内外から得点。チームをけん引する。

 ここまでの戦いを振り返ると、準々決勝の明星学園高校(東京都)戦で70−68と1ゴール差という最も競った内容になった。これについて長門明日香アシスタントコーチは「明星学園戦はディフェンスで崩れて、それを試合注に、修正できませんでした」と分析。ただし準決勝の昭和学院高校(千葉県)後のメディア対応では、「自分たちがやってきたディフェンスを確認しようと、ディフェンスとリバウンドと走ることを指示して、主にディフェンスのことを話しました」と語っており、110−72と昭和学院に快勝したことからも、その課題はクリアされていると言えるだろう。

 対する京都精華学園は4試合で平均102.0得点という攻撃力が魅力のチームだ。その原動力となっているのが驚異の1年生トリオ、堀内桜花、八木悠香、ディマロ ジェシカと言えるだろう。堀内は司令塔として京都精華のアップテンポのバスケを演出。フォワードの八木は粘り強いリバウンドや勝負強いシュートが魅力であり、さらにディマロは身長188センチに加えて高い運動能力を秘めており、相手チームにとっては厄介なプレーヤーだ。さらにこの3人は今年の1月に行われたジュニアウインターカップで京都精華学園中学を準優勝に導いた。経験という部分でも上級生に劣ることはない。

 大阪薫英女学院高校(大阪府)を86−80で破った準決勝の後、京都精華学園の山本綱義ACは「インターハイでは3点差で敗れましたが、もう10秒あればという内容だったので、もう一度桜花さんに挑戦するのが夢でした。明日は胸を借りるつもりで、思い切り、楽しく戦うよう頑張らせたいと思います」と、初のウインターカップでの決勝に向け意気揚々だ。

 試合のポイントはセンターの攻防と両ベンチは見ている。桜花学園は朝比奈、京都精華はディマロともう1人の留学生、イゾジェ ウチェ(2年)だ。ここでどちらが主導権を握られるかが、勝敗のカギを握ることとなる。

 長門ACは「インターハイから留学生対策をしてきました。それに手応えは得ています。朝比奈はキャプテンとしてチームをまとめ、高校生とは思えないメンタルの持ち主。やってくれると思います」と厚い信頼を寄せる。

 山本ACは「朝比奈さんをどれだけ抑えられるか。うちの留学生がまだ下級生と未熟なので、どこまでディフェンスしきれるかというのが課題。ということでその対策はしてきましたが、どこまでやれるか」と不安を見せつつも、不気味な存在であることに違いない。

 そのほか、桜花の横山、京都精華学園の八木など、他の選手のパフォーマンスが勝敗に直結してくるだけに、目の離せない戦いになるのは必至。ティップオフは12時(正午)。

 この模様はバスケットLIVE、スポーツナビで配信されるとともに、BS朝日でライブ中継、J SPORTSでライブ中継・配信が行われることになっている。

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