2022.07.16

インターハイ男子注目校(3)八王子学園八王子(東京)「“昨年超え”は最低限のノルマ、前回王者を退け全国制覇へ」

関東大会の敗退を糧に東京都1位を獲得した八王子学園八王子 [写真]=小沼克年
フリーライター

 7月27日から8月1日にかけて香川県で行われる「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。熱戦が期待される夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■男子注目チーム(3)八王子学園八王子(東京)

「切り替えて、また一からやり直そう」

 6月5日に行われた「第76回関東高等学校男子バスケットボール選手権大会」の最終戦。正智深谷高校(埼玉県)に83−89で敗れて大会を終えた八王子学園八王子高校(東京都)は、チーム内でそう話して次に控えるインターハイ予選を見据えた。

 関東大会では接戦を勝ちきれず苦杯をなめた八王子学園八王子だが、その後のインターハイ予選では正智深谷戦の教訓を生かすように勝負強さを発揮。計4チームが2枚の本戦行き切符をかけて激突した決勝リーグは、初戦の相手となった成立学園高校を87−86の1点差で下すと、互いに1位突破をかけた実践学園高校戦では、オーバータイムの末に勝利して東京都1位でインターハイ出場を決めた。

 チームは昨年、石川淳一コーチの方針のもと2年生が主体となり、インターハイとウインターカップはともに3回戦まで進出。今年は当時の2年生が3年生となったため、それ以上の結果を求めている。

 コート上のリーダーを務めるのは、スピードを生かしたアタックでリズムを生み出す粟田光(3年)。「今年は全国制覇を目指しています」とはっきりと口にした粟田を筆頭に、ウイング陣の北見凜太朗と吉田叶貴(ともに3年)は思い切りの良いシュートで得点源を担う存在だ。北見に至っては、関東大会で得意の3ポイントシュートを6本突き刺して1試合30得点をマークした。また、粟田のバックアップを務める管野希一(3年)もゲームコントロールとシュート力に優れる実力者である。

スピードを生かしたアタックでリズムを生み出す粟田光がコートリーダー [写真]=小沼克年


 インサイドも戦力が揃っており、最上級生となったンジャイ ムハンマドゥ ムスタファ、1年生のサニャン ウセイヌの身長はともに205センチ。なかでも今年チームに加わったサニャンは即戦力として活躍中で、リバウンドからすぐさま速攻に参加できる走力も兼ね備えている。

 ディフェンスではハーフコートゾーンを軸に守り、そこからの素速い展開を得意とする八王子学園八王子。3年生たちの経験値と2人の留学生を擁する高さを武器に乗り込むインターハイは、“昨年超え”は最低限のノルマと言えるだろう。

 チームは昨年の夏を制した中部大学第一高校(愛知県)がいる第3シードのブロックに入った。ディフェンディングチャンピオンを退ける可能性を秘めるチームのひとつが、激戦となった都予選を無敗で勝ち抜いた八王子学園八王子であることは間違いない。

 互いに勝ち進めば、両者が激突するのは7月30日の準々決勝。今大会のメインコートで、黄色い集団が大方の予想を覆すことを期待したい。

文・写真=小沼克年

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