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4月になり新学期がスタート。新チームには新入生も正式に加わり、インターハイ予選に向けて本格的にチームの強化が進んでいるころだ。バスケットボールキングでは2023年に注目したい高校生ケイジャーをピックアップ。高校バスケ界をけん引するエース候補生を紹介する。
文=入江美紀雄
昨年の桜花学園高校(愛知県)はインターハイ(令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会)で京都精華学園高校(京都府)、ウインターカップ(SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会)では東海大学付属福岡高校(福岡県)にそれぞれ3回で敗退。つまり、高校タイトル無冠に終わるシーズンとなった。
迎えた2023年、桜花学園は旧校名の名古屋短期大学付属高校時代も含めて、初めてダブルキャプテン制を敷くことになった。田中こころ(3年)がゲームキャプテン、その田中とガードコンビを組む黒川心音(3年)がチームキャプテンを務める。
「去年は横山(智那美、現トヨタ自動車)さんに頼り切ってしまった部分がありました。全員が遠慮せず、学年関係なくやれることが一番いいかなと。自分は、ゲームキャプテンなので最初からしっかりプレーで引っ張って、周りもそれについてきてくれたらなって思います」と、今年はチーム全体でタイトル奪還を目指していく。
インサイドに昨年日本代表合宿に参加した福王伶奈、ウイングにはサイズとシュート力も兼ね備えた松本加恋、東小姫、司令塔には視野の広さを生かしたキラーパスを供給する黒川、さらに2年生ながらディフェンスやリバウンドでチームになくてはならない深津唯生。今年のチームも戦力は充実しているが、エース、田中の存在はなくてはならないものと言っていい。
なんと言っても魅力は得点力の高さ。3ポイントシュートだけでなく、ドライブからのジャンプシュートなど、そのバリエーションは豊富だ。「シュートはどこからでも決められる自信は持ってやっているので、相手が下がったら絶対シュートは狙うようにしています」と頼もしい。加えて「やっぱり自分のところを警戒されるのは分かっているので、マークが厳しいときに、周りを活かせるプレーをどれだけできるか。その時に周りも自分がやらなきゃって気持ちでやってくれているので、そこは良いところかなと思います」と分析。田中のパフォーマンスが上がれば、自然とチーム力がアップしていく図式だ。
「桜花学園にいる以上、日本一という目標は常に持っているんのですが、それでも高い目標を見過ぎてしまうと足元をすくわれて、ウインターカップもインターハイも優勝できなかったという反省があります。なので、まずは一戦一戦、練習試合でも1日1日頑張ってやっていきたいと思います」と全くスキはない。
高校バスケ界の女王、桜花学園が無冠で終わった翌年、そのうっぷんを晴らすかのように圧倒的な強さを見せつけてきた歴史がある。田中の得点が引き金となり、チーム一丸となってタイトル奪還を目指すのが今年の特徴。手負いの女王はかなり危険だ。