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4月になり新学期がスタート。新チームには新入生も正式に加わり、インターハイ予選に向けて本格的にチームの強化が進んでいるころだ。バスケットボールキングでは2023年に注目したい高校生ケイジャーをピックアップ。高校バスケ界をけん引するエース候補生を紹介する。
文・写真=小沼克年
199センチの高さを誇る金沢の逸材は、豪快なダンクシュートを叩き込むこともあれば、柔らかなシュートタッチで鮮やかにリングを揺らすこともできる。
2022年のウインターカップで、金沢高校(石川県)の大舘秀太(3年)は計3試合で平均21.0得点12.7リバウンドをマークした。1年生の頃もウインターカップで活躍していたが、昨年はより大きなインパクトを残したことで全国区の選手になったと言えるだろう。最終学年となり、絶対的エースとなった今年はチームのキャプテンにも就任した。
「常にリーダーシップを取ろうという気持ちでプレーはしてきたんですけど、キャプテンはやったことがなくて、初めてです」
やや不安げに話す大舘に重責を背負わせたのは、父であり指導者でもある大舘慶徳コーチだ。
「キャプテンが一番の怒られ役になると思いますので、誰よりも怒られて、苦しんで1年間を乗り越えて次のステージに進んでもらいたいなと。そういった思いもあり、あえて指名しました。そのポジションに与えることによって、彼自身も成長できて学ぶこともあると思うのでレベルアップを図ってもらいたいです」
大舘を主将に指名した意図について、指揮官はそう口にする。背番号4を託された大舘自身も、「自分がチームメートとコーチをしっかり繋げて、 声でもしっかり引っ張ることを意識しています」と話し、新チームがスタートしてからはプレーヤーとして新境地を開拓中だ。
全国で結果を残すには、「やっぱり自分が得点を取らないといけない」と自覚する大舘だが、一方で「自分だけにならずに、味方のことも生かしてチームで勝利できるようにしたい」と理想のチーム像を描く。それを可能にするためには、コート上での的確な状況判断が求められる。大館も自分に執拗なマークが寄ってくることは重々承知しており、パスで味方の得点をお膳立てすることも意識していると明かす。ただ、現時点での課題はその判断が遅いことだと大館は言う。
「ボール持った時の判断がまだまだ遅いです。自分でドライブに行くのか、それともパスなのか。そこをもっと早くできるようになりたいです」
冬のウインターカップのコートには2年連続で足を踏み入れた。だが、大舘は過去2年間で夏の全国大会には立てていない。今年はまず、自身初となるインターハイ出場が目標であり、ラストチャンスへ向け「キャプテンとしてチームをしっかりインターハイに連れていきたいです」と自らを奮い立たせている。