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4月になり新学期がスタート。新チームには新入生も正式に加わり、インターハイ予選に向けて本格的にチームの強化が進んでいるころだ。バスケットボールキングでは2023年に注目したい高校生ケイジャーをピックアップ。高校バスケ界をけん引するエース候補生を紹介する。
文・写真=小沼克年
正智深谷高校(埼玉県)に頼れるルーキーが加入した。
シューティングガードの加藤駿(1年)。中学時代は宇都宮ブレックスU15でプレーし、昨シーズンはチームのエース兼主将として全国でも名を轟かせた選手だ。
加藤は今年1月に行われた「Jr.ウインターカップ2022−23 2022年度 第3回全国U15バスケットボール選手権大会」にて、全体トップとなる合計117得点(1試合平均28.3得点)をマーク。進学前最後の大会となった3月の「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2023」ではベスト8で涙をのんだが、Jr.ウインターカップ覇者のライジングゼファー福岡U15相手にも31得点を挙げるオフェンスを発揮した。
思い切りの良いプレーが光る加藤は、巧みなボールハンドリングや鋭いドライブ、多少無理な体勢でもシュートをねじ込むボディバランスの良さを兼ね備え、内外から得点を量産。多彩な攻撃パターンのなかでも「3ポイントが一番得意」と話すように、前述した「Jr.ウインターカップ2022−23」では4試合で計17本(同4.3本)の長距離砲を射抜いて3ポイントシュート成功数でも個人1位の成績を収めている。
ただ、それはあくまで中学時代の話。「やっぱり高校生はスピードも高さもフィジカルの強さも全然違います。そういった部分はこれからちょっとずつ慣れていきたいです」と、冷静に今後を見据える。
それでも、4月1日と2日に開催された「埼玉カップ2023」でさっそくデビューを果たした点取り屋は、その非凡なセンスを随所に発揮した。コートに立てば持ち味の3ポイントを積極的に放ち、相手に傾きかけた流れを自らの得点で断ち切る場面もあった。
「最初はちょっと緊張しました。でも、先輩たちが『思いっきりやっていいよ』って言ってくれたので、最後の方は緊張せずにプレーできました。中学3年になってからはコーチ陣からも高校バスケで通用するようなプレーをずっと教えてもらっていたので、その成果も出せたかなと思います」
ユース出身のプレーヤーにとっては、所属クラブのU18カテゴリに進むという選択肢も十分に考えられる。加藤は新たな3年間を新天地でチャレンジすることを選んだが、自身の目標がブレることはない。
「まずはチームの目標が全国の表彰台に立つことなので、それに貢献できるように毎日努力していきたいです。個人としてはプロになるという目標もあるので、これからも頑張ります」
まだ加入したばかりのルーキーに対して冒頭で“頼れる”と書いたのは、成田靖コーチもすでに大きな期待を寄せているからだ。本心かどうかは分からない。しかし指揮官は声を弾ませてこう言った。
「加藤君はもう、うちのエースですね。苦しい場面では彼が全部助けてくれるんじゃないかなと思っています」