2023.04.10

【高校バスケ注目選手2023】澤田竜馬(開志国際)「豊富な攻撃と経験値を誇る小さな大黒柱」

得点力と度胸の良さを武器とする澤田(左) [写真]=小沼克年
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

4月になり新学期がスタート。新チームには新入生も正式に加わり、インターハイ予選に向けて本格的にチームの強化が進んでいるころだ。バスケットボールキングでは2023年に注目したい高校生ケイジャーをピックアップ。高校バスケ界をけん引するエース候補生を紹介する。

写真・文=小沼克年

ポイントゲーターとしても要注意選手

 2年連続の日本一獲得を目指す開志国際高校(新潟県)の背番号4を託されたのは、司令塔を務める澤田竜馬(3年)だ。

 昨年の「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」決勝戦、澤田は福岡第一高校の轟琉維(現・東海大学1年)相手にも一歩も引かなかった。ゾーンプレスを敷かれても冷静にそれを突破し、終始安定したゲームメイクで開志国際のウインターカップ初制覇に貢献。つまりは、2年生で日本一のポイントガードに上り詰めたのである。

 昨年までの澤田は、どちらかといえば周りを生かすプレーを意識していた。だが、本来の姿は積極的にリングへアタックする攻撃型ガードであり、「オフェンスが得意」と本人も口にする。167センチながら1年の夏から先発ポイントガードを任されたのにも、富樫英樹コーチから得点力と度胸の良さを評価されたのが大きな理由だ。

「今年は先生からも『もっと攻めろ』って言われているので、ガードとしてコントロールしながら自分で点を取ったり中に切ってアシストをしたりするプレーをしていきたいです。自分の武器である3ポイントでもオフェンスを引っ張っていきたいと思います」

 2023年の澤田は、今まで以上に高いオフェンス力を見せてくれそうだ。一方で、それを可能にするのは、チームメートの台頭が要因の1つになっていることを忘れてはならない。

 昨年のインターハイまでは「ほぼ出ずっぱり」(富樫コーチ)の状態が多かったが、夏以降は現在3年の中島遙希、2年の清水脩真が澤田のバックアップを務めるほどに成長。さらにはスコアラーの平良宗龍(2年)もカードポジションのため、「1日2試合の時でも交代できるので、やっぱり気持ち的にも体力的にも楽ですね」と澤田の心にも余裕が生まれているようだ。

 この4選手はいずれもウインターカップ優勝メンバーであり、今年の主軸を担う。2023年の開志国際が誇るガード陣は早くも盤石の体制だ。

「去年ほど身長がないので、ディフェンスからどんどん速攻を出したい。速い展開のバスケットで勝てるようなチームにしたいなと思います」

 そう意気込みを述べた澤田は、中島とダブルキャプテンとしてもチームを引っ張る。しかし、これまで最も多くコートに立ってきた澤田こそが真のキャプテンであり、精神的にも仲間を支える大黒柱と言えるだろう。

 全国から追われる立場となる2023年。開志国際の中心的存在はチーム史上初となる偉業を成し遂げるため、コート内外で先頭に立つ。

「キャプテンがチームをまとめることができないとみんなもついてこないと思うので、そこもしっかり頑張りたいです。目標は去年達成できなかった2冠。インターハイとウインターカップの優勝を目指します」

澤田竜馬(さわだ・りょうま)
167センチ/PG/倉敷市立東陽中学校(岡山県)
[写真]=小沼克年

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