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3月21日〜23日の3日間にわたって、「KAZU CUP 2023」が日本工学院八王子専門学校体育館にて行われた。
コロナ禍により無観客ではあったものの4年ぶりの開催となった同大会は、北は北海道、南は福岡と全国から16チームが集結。まず4チームを1グループとし、計4グループが予選リーグを行い、予選リーグの結果から各グループの1位同士が戦う1位グループ、2位同士が戦う2位グループといったように順位を決める決勝リーグを行われた。
大会最終日はここまで互いに全勝の開志国際高校(新潟県)と福岡第一高校(福岡県)が優勝を懸けて激突。昨年のウインターカップ決勝の再戦ともなった。
試合は、ネブフィ ケルビン シェミリー(2年)のインサイドプレーなどで得点を挙げた開志国際が先行する。シュートを思うように決めきれずに苦しんでいる福岡第一とは対照的に、その後も開志国際はコンスタントに加点してリードを広げていった。
対する福岡第一は、山口瑛司(3年)が奮起し、自ら切り込んでシュートをねじ込むも、追いつくことができない。23点を負う後半には、ハードなディフェンスからボールを奪い、速い攻撃で得点へとつなげるシーンが幾度かあったが、安定したディフェンスとリバウンドで崩れることのない開志国際を脅かすまでにはいかず。第4クォーターでも攻撃の手を緩めなかった開志国際が101-55で大勝し、優勝を決めた。
試合後、優勝で終えた大会についてこうコメントしたのは開志国際の富樫英樹コーチ。勝因はチームディフェンスとリバウンドと語り、中でもリバウンドでは中島遥希(3年)の名前をあげて「相手にとっては厄介な選手。すーっと入って足でリバウンドを取る。そういったことが相手にとってのダメージは一番大きいですよね」と、中島の健闘をたたえていた。
昨年のインターハイではあと一歩のところで優勝を逃して準優勝。「あの負けからチームは良くなっていった」と悔しい敗戦をターニングポイントに、チームは強化を図り、ウインターカップで見事に初優勝を達成した。そして今年の1月から本格的に新チームの活動が始まったのだが、練習の雰囲気はウインターカップの頃からまたさらに良くなっていると指揮官はいう。
「ウインターカップに勝ったことはチーム的に大きいのかなと思います。試合にあまり出ていない選手たちから盛り上げてくれるし、中島も練習の雰囲気を作ることができる。泥臭いプレーをしてくれます」(富樫コーチ)
「チームプレーが分かるようになってきた」というネブフィ ケルビン シェミリー(2年)の成長も大きく、また「ウインターカップを勝った自信からか、プレーに余裕が生まれた」というガードの澤田竜馬(3年)など、着実に選手個々もレベルアップしている開志国際。あとは「ケガから復帰する選手たちが(主軸に)絡んでくれば」と富樫コーチは先をにらむ。
「KAZU CUP 2023」をはじめ、春休みのこの時期は交歓大会が各地で多く行われており、どのチームもチーム内の練習のみならず、交歓大会などを経てチーム力を高めていく。
現時点では「順調」と笑顔を見せた富樫コーチ。今後はバックアップメンバーの底上げを含め、昨夏わずかに及ばなかったタイトル奪取に向けてチーム作りを行なっていく。
取材・文・写真=田島早苗