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「個人的には全然満足していないです」
「第53回 全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」(3月18、19日開催)を制した福岡第一高校(福岡県)の崎濱秀斗(2年)は、優勝の感想を問われ、このように発した。
福岡大学附属大濠高校(福岡県)との決勝戦は、第2クォーター中盤には一時10点近くビハインドを負うなど、前半を終えてリードを許す展開(27-31)に。後半には崎濱の奮起もあり逆転して接戦を制したものの、崎濱は「第1、2クォーターで自分がチームに迷惑かけてしまいました。後半は前半の分を取り戻そうと心掛けてプレーできたけれど、第1クォーターからチームに勢いをもたらすプレーをしないといけなかったと思います」という。さらに、「自分がこのメンバーの中で一番経験しているので、焦ったり、やるべきことやらなかったりしたらチームも終わると思っています。(今大会は)自分がやらないとチームが負けるんだということを改めて実感できた大会でした」と大会を振り返った。
1年生の頃から試合経験を重ねている崎濱は、新チームにおいてはエースとしての看板を背負う。同時にガードでもあるため、チームをまとめる役も担っている。
「(決勝では)入れるべきショットを落としていました。自分が決めなかったらチームにも流れを持ってくることができない。そういったところでもチームに迷惑をかけました。(決勝前半は)自分の中でも少し落ちていたところがあったのですが、自分が調子の悪いときこそ声を出さなくてはいけないということは、今大会を通して感じました」
崎濱の口から出てくる言葉は反省ばかり。それでも、コロナ禍により中止となっていた全九州高校春季大会が4年ぶりに行われたことについては、「自分たちが今どの位置にいるのも分かりましたし、試合の中で個人の課題も見つけることができたので、すごくいい大会になりました」という。崎濱にとってもチームにとっても、現状把握や課題と収穫を得ることのできた貴重な4試合となったようだ。
昨年末に開催されたウインターカップ後、崎濱自身は、足首のケガなどで約2カ月をフルで練習することができず。大会に向けて「自分の弱点を改善するといった時間があまり取れなかった」という。
また、ウインターカップを終えて課題となったのは3ポイントシュート。これには「3ポイントシュートが入らない選手は相手からしても全然怖くないと思うので、インターハイに向けてしっかり改善していきたいです」と意気込む。
「昨年のチームに比べて平均身長は高いので、身長でのアドバンテージを取りながら自分たちのスタイルであるディフェンスからの速攻もやっていけば絶対にいいチームになると思っています」という崎濱。福岡第一のリーダーが見据える先は…まずは夏の連覇だ。
取材・文・写真=田島早苗