2019.08.26

第1Qで8つものミスを犯した日本、先発PGを務めた田中大貴「自分にも責任がある」

25日のチュニジア戦では、主にポイントガードでプレーした田中[写真]=伊藤 大允
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 8月25日、さいたまスーパーアリーナで「バスケットボール日本代表国際試合 International Basketball Games 2019」が行われ、男子日本代表(FIBAランキング48位)はチュニジア代表(同51位)に最終スコア76-78で敗れた。

 エースの八村塁(ワシントン・ウィザーズ)、司令塔の篠山竜青川崎ブレイブサンダース)が欠場したこの試合、日本は第3クォーター終了時点で48-59とされていた。しかし、第4クォーターに、ようやく流れをつかんで反撃を開始する。第3クォーター残り50秒から採用した布陣が見事にハマったのだ。

 安藤誓哉田中大貴馬場雄大竹内譲次アルバルク東京に所属する4人に加え、この日好調の竹内公輔宇都宮ブレックス)というメンバーで臨んだ日本は、立ちあがりからディフェンスの強度が増した。

 24秒バイオレーションを2回連続で奪うと、攻撃では竹内譲、馬場の3ポイントもあり10-0のランに成功。八村をコートで見れないことも少しは影響したのか、ここまでやや盛りあがりに欠けていた会場のポルテージも一気にヒートアップした。

 そして残り5分27秒、直前に竹内譲に代わって入った渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)がすぐさま得点を挙げて同点に追いつく。その後は両者譲らない展開が続いたが、最後は試合終了間際に劇的弾を許し、惜しくも2点差で敗れた。

田中は約16分間に出場して5得点1アシスト[写真]=Yasushi KOBAYASHI

 Bリーグを連覇したカルテットが日本代表として同じコート立った時間帯を、馬場は「阿うんの呼吸ではないですけど、ディフェンスから走ることは(A東京で)いつもやってきていたのでスムーズなオフェンスが展開できたと思います」と振り返る。

 その一方で田中は、「それ(ディフェンス)を試合の出だしからやらないといけない」と悔やんだ。篠山に代わり先発ポイントガードを任された27歳が言うように、立ちあがりでつまずかなければ、チュニジア戦はまた違った展開になっていたはずだ。

「ディフェンスもあまり足が動いていなかったですし、オフェンスもターンオーバーが第1クォータだけで8本やっているので。(フリオ・ラマス)ベッドコーチからも言われましたけど『全然よくなかった』です」

 田中がコートにいた試合開始約5分の間に、日本は4つのターンオーバーを記録。しかもチーム最初のミスは、田中からニック・ファジーカス(川崎)へのパスがカットされた。最初の10分間で8本ものターンオーバーは多すぎる。その全てが自身のミスではないが、「1番(ポイントガード)として出た自分にも責任がある」と田中は自分を責めた。

「ターンオーバーしてしまうとリズムに乗れない。そのままディフェンスまで引きずって相手に簡単にシュートを打たせたり、リバウンド取られたり……。一番やってはいけないことをしてしまいました」

 31日に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」では、本来のシューティングガードに加え、引き続きポイントガードとしての役割も担う田中。それは、富樫勇樹千葉ジェッツ)がケガのため出場できない理由もあるが、「元々自分が1番をやることは、そこから出てきました」と、対戦相手となるチェコにトーマス・サトランスキー(ウィザーズ)という201センチの大型司令塔の存在が大きいという。

 12日から計5試合に及んだ強化試合を経て、田中は「試合が経つにつれて冷静にできています」とポイントガードでのプレーを振り返る。また、「細かいミスがレベルの高い試合では勝負を分けますし、アジアでごまかせていた部分が、アルゼンチン、ドイツ、チュニジアには通用しませんでした」とも明かし、改めて「点の取り合いでは勝てない」と感じたようだ。

強化試合を経て、日本はいよいよワールドカップ本番へ挑む[写真]=Yasushi KOBAYASHI

「『ディフェンスから』という意識をみんなで持ってやっていきたい。トルコもチェコも大型のガードがいるので、自分がマークすることもあると思います。相手のスカウティングに合わせてやることが多くなるので、相手の強みを消せるようにしていきたいです」

 ワールドカップでは、実際にポイントガードを務める時間帯がどれだけあるかはわからないが、192センチの司令塔は「そんなにネガティブにもなっていませんし、あとは本番やるだけだと思ってます」と、いつものように冷静だ。

文=小沼克年

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