2023.08.14
8月12日、日本バスケットボール協会は公式YouTubeで『INSIDE AKATSUKI』を公開。今回は同月2日と4日にオープンハウスアリーナ太田(群馬県)で行われた「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 太田大会」の模様を伝えた。
男子日本代表(FIBAランキング36位)がニュージーランド代表(同26位)と対戦し、1勝1敗で終えた太田大会。第1戦の試合前、この2連戦では出場メンバーから外れた渡邊雄太(フェニックス・サンズ)は、撮影スタッフから「富永啓生(ネブラスカ大学)とどっちがシュート入る?」という質問を受けると、「ディフェンスをつけない単純なシュート勝負をしたら、たぶん啓生には負けますよ。それくらいあいつは本当にシュートが入る」と、“和製ステフィン・カリー”とも呼ばれる富永のシュート力に脱帽した。
第1戦では第1クォーターに2ケタのビハインドを背負うも、第2クォーターでディフェンスから試合の流れをつかみ、最後は79-72でニュージーランドを撃破した。トム・ホーバスヘッドコーチは、「このチームのハートが好き。韓国戦でも最初は14点差で負けていたけどやり返した。今日も15点差をカムバックした。絶対に諦めない気持ちが素晴らしい。明日はもっといいバスケットをしよう。どんどん上達しよう」と、試合後のロッカールームで選手たちを称えた。
久々の実戦復帰となった河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)は「楽しかったです」と試合の感想を述べると、「徐々にでも流れを持っていくため、先頭に立ってディフェンスやペイントアタックで相手の体力を削れればいいなと思っていたので、それをやれたかなと思います」と自身のプレーについて振り返った。
また、泥臭いプレーでチームを支えた川真田紘也(滋賀レイクス)は、「自分の持ち味なんで、これを継続していきたい」とコメント。富樫勇樹(千葉ジェッツ)も「みんな川真田が活躍することを楽しみにしている。今日もリバウンドやルーズボールとチームのために体を張ってくれていたので、次の試合も期待したい」と絶賛した。
さらに、ベンチからチームメートのプレーを見守った渡邊も「川真田が良くて応援にも気合が入っちゃいました」と笑顔を見せ、「ああいう体の張り方をしてくれる選手がチームに1人いるとめちゃくちゃ助かります。(渡邉)飛勇(琉球ゴールデンキングス)も良かったですし、ビッグマン2人がゴール下で相手のシュートを相当邪魔してくれました」とセンター陣の活躍に触れた。
3日は同会場で全体練習を実施。練習前のアップ時には富樫と河村が富永にネブラスカ大学について質問をする場面も。ネブラスカ大のホームコートは1万4000人が収容可能で、オープンハウスアリーナ太田の約3倍の規模となる。「最高で立ち見も入れて、1万5000人くらい入った」と富永が語ると、富樫と河村は日本とアメリカのスポーツ文化の規模の違いに驚いた様子。
また、コンディション調整のため、この連戦も欠場したジョシュ・ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)が川真田にアドバイスを送ると、「みんなバスケが上手いですし、知識量も多いので、いっぱい学んで追いつけるように頑張ります」と伸び盛りの日本人ビッグマンは気合を入れ直した。
練習後のマッサージを一緒に受ける富永と河村は、スタッフに向けて“ある事件”を紹介した。どうやら朝食時に河村に起こしてもらうべく、前日から自身の部屋の鍵を渡していたという富永は「俺が朝起きたとき、こいつ(河村)が真横にいてめっちゃ怖かった!」と力説。横のベッドに座っていたという河村は「『よう!』って部屋に入ったら全然起きなくて、寝顔を盗撮してやろうと思ったら、その瞬間に起きて(富永が)めっちゃびっくりしてた」と釈明した。
4日に行われた第2戦では、ニュージーランドのフィジカルなプレーに苦しみ、再び第1クォーターからリードを許すと、最後は75-94で敗戦。太田大会を1勝1敗で終えることとなった。
「チームとしても、選手全員にとっても勉強になった」と、敗戦から学ばなければならないと語ったホーバスHCは、「いつも試合の出だしで相手がフィジカルにくると、みんなちょっとショックを受けている。それは絶対にダメです。うちのテーマの1つがヒットファーストです。相手より先にやろう」と選手たちを鼓舞した。
ミーティング後、「試合の反省も含め、自分の中でやり切った感がない」と話す須田侑太郎(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)は居残りシュート練習を実施。「今日は3ポイントを1本しか打ってないです。オフボールでも自分のところから離れないようなディフェンスをしてくるので、ちょっと無理にでも打ちにいった方がいいんだなと思いました」と語り、厳しいマークに対する打開案を模索しているようだ。
「フィジカルに苦戦した部分が敗因」と話す吉井裕鷹(アルバルク東京)は、「日々の練習でガツガツやり合う必要があるのかなと思います。チームメートをケガさせては元も子もないので、そこはうまいことやりながらチーム全体でやる必要がある」と、チームとしてフィジカルなプレーの基準を上げる必要があると語った。
さらに、富樫は「相手は2日前の負けから対策して、日本を走らせないようにしてきた。リバウンドはビッグマンだけでなく全員の責任です」と敗因について言及。それでも、「これから雄太とジョシュが入って、また修正して、ワールドカップの初戦にピークを持ってこられるようにやっていきたい」と意気込んだ。
男子日本代表は8月15日にアンゴラ、17日にフランス、19日にスロベニア代表と強化試合を行い、25日に開幕するワールドカップへ挑む。
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