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2022年10月19日に開幕した第24回Wリーグは、3月19日にレギュラーシーズンを終えて4月1日からプレーオフが始まる。
プレーオフ進出チームはレギュラーシーズンの上位8チーム。4月1日、2日には6チームが参加するプレーオフ・セミクォーターファイナル(SQF)と、クォーターファイナル(QF)が開催される。
SQF第1試合は、『富士通レッドウェーブ vs. 日立ハイテククーガーズ』。レギュラーシーズンでの対戦では1勝1敗で、2戦とも接戦となった。セミクォーターファイナルは一発勝負。それだけに、この一戦はどちらにもチャンスがあるといえるだろう。
絶対的司令塔の町田瑠唯に安定感のある宮澤夕貴らが攻防においてチームを引っ張る富士通は、篠崎澪の引退もあり、今シーズンからメンバー編成が大きく変更。その中で「中堅と若手選手がしっかり役割を果たしていたと思います」(宮澤)と、3年目の赤木里帆を筆頭に若手選手たちも持ち味を発揮。富士通の得意とする速い展開のバスケットを演出した。
一方、その3ポイントシュートを「警戒している」と語ったのは日立ハイテクの白鞘郁里。また、「私たちが対戦したときはアーリーエントリーの選手がいなかったので、今回はそこをどう抑えるかもポイントだと思います」ともコメントした。
日立ハイテクは、インサイドで軸になるダラーメ マレム ドイに、外角シュートを得意とする佐藤奈々美、得点のみならずガッツあるプレーでもチームを盛り立てる白鞘らが主軸となり白星を重ねてきた。さらには、プレーオフ向けのオンライン会見で白鞘がキープレーヤーに挙げていた星香那恵も得点力のある選手だ。
SQF第2試合は『トヨタ紡織サンシャインラビッツ vs. シャンソン化粧品シャンソンVマジック』。このカード、レギュラーシーズンの対戦では、シャンソン化粧品が2試合とも勝利しているが、どちらも僅差での戦いだったため、こちらも勝敗の予想は困難な状況だ。
「シーズン序盤はあまり良くはなかったのですが、終盤にかけて強みである堅守速攻で流れを作ることができ、段々と紡織らしさが出てきていると思います」と、坂本美樹キャプテンがレギュラーシーズンを振り返るように、トヨタ紡織はプレーオフに向けて本来の動きを取り戻しつつある。同様に「東藤なな子と加藤優希も序盤より調子が上がってきている」(坂本)とのことで、点取屋たちも大一番に向けてさらにギアを上げている状況だ。
対するシャンソン化粧品の小池遙は、「シーズンを通して良いときや悪いときも悪いときの波があったのですが、試合を重ねていくごとに良くなっていったと思いますし、一人ひとりの役割やチームの決まり事を全員で共通理解できたことは良かったです」と、レギュラーシーズンについてこう語った。
司令塔の小池にシューターの吉田舞衣が中心だが、シーズン終盤には金田愛奈、パレイ ルセアネヘイララ 紀子、知名祐里らの若手が台頭。特にセンターのイソジェ ウチェはアーリーエントリーながらリバウンドのタイトルを獲得するなど、14試合の出場でチームの勝利に大きく貢献している。
SQFに勝利すると、翌日のQFへと進むが、そこで待ち受けるのがENEOSサンフラワーズと三菱電機コアラーズ。ENEOSは『富士通 vs. 日立ハイテク』の勝者と、三菱電機は『トヨタ紡織 vs. シャンソン化粧品』の勝者と対戦する。
レギュラーシーズン4位のENEOSは、「開幕戦から試合を重ねるごとに、選手としてもチームとしても成長できていると感じています」と、渡嘉敷来夢が言うように、中盤からは14連勝。クォーターファイナルは渡嘉敷にとって初めてプレーすることになるが、「(レギュラーシーズンは)自分たちの思い描いた順位ではなかったけれど、ここから全部勝てばいいと思っています」と、力強く発した。
渡嘉敷やオールラウンダーの長岡萌映子、今シーズンの活躍が目覚ましいガードの星杏璃など、どこからでも得点可能な布陣。新加入の長岡も段々とチームにフィットしてきており、尻上がりに調子を上げている。宮崎早織、林咲希ら勝負強い選手たちも構えており、「次につながるいい試合ができるように、チーム全員で一丸となって頑張っていきたいです」と、渡嘉敷はクォーターファイナルでの抱負を語った。
その渡邉の大車輪の活躍はもとより、シックススマンながら高さと強さでインサイドを中心に体を張った戦いを見せた西岡里紗。渡邉自身も西岡と、シューターの根本葉瑠乃、パワーフォワードの小菅由香の3人には、「爆発したらチームは勝つと思います」とプレーオフでの奮起に期待を寄せている。
セミクォーターファイナルとクォーターファイナルは新潟県にて開催。セミクォーターファイナルの第1試合は14時ティップオフとなる。
文=田島早苗