2024.11.08
NBAが2024-25シーズン最初のルーキーランキングを発表した。
昨年はフランス産の“エイリアン”、ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)と、1年遅れで待望のデビューを果たしたチェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)が熾烈なビッグマン対決を繰り広げてくれた。また、デレック・ライブリー2世(ダラス・マーベリックス)やブランドン・ミラー(シャーロット・ホーネッツ)など、世代には未来のオールスター入りを視野に入れている選手も少なくない。
一方で、本年度のルーキーは昨年と比較すると若干控えめな印象で、平均10得点以上を記録しているプレーヤーは本稿執筆段階でわずか4選手のみ。それでも約20名の新人が15分以上のプレータイムを獲得しており、リーグの荒波に揉まれるにつれて、スタッツを改善してくる選手も現れるだろう。
最新の「Kia Rookie Ladder」では、10位以内で指名を受けた選手のうち、トップ10入りを果たしたのは3選手のみという波乱の幕開けとなった。そして、ダークホースの一角であり、河村勇輝も在籍するメンフィス・グリズリーズのプレーヤーたちがトップ3のうち、2つの席を確保している。
スティーブン・アダムス(ヒューストン・ロケッツ)の後継者を担う身長224センチのセンターは、パデュー大学の在籍中に2年連続でNCAA最優秀選手賞を獲得しており、このまま逃げ切れば、3年連続の個人賞獲得となる。
テイラー・ジェンキンス監督のシステムに見事適合し、ジャ・モラントやデズモンド・ベインにスペースを与え、ペイントエリアで存在感を示している。11月5日(現地時間4日)のブルックリン・ネッツ戦では25得点、12リバウンドと大暴れし、フィールドゴール成功率も9割以上と非の打ち所がない活躍を披露。早くも名センターであるヤオ・ミン(元ヒューストン・ロケッツ)と比較されはじめており、先述のウェンバンヤマやホルムグレンとのマッチアップが待望されている。
再建に苦しむウィザーズにとって、キャリントンは良い指名となったはずだ。『ESPN』のレポーターを務めるオム・ヨンミスクによると、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が対戦後にウィザーズの若手たちを讃え、ドレイモンド・グリーンはキャリントンについて「彼は僕からの尊敬を獲得したよ」と、そのポテンシャルを賞賛されている。
キャリントンは安定したボールハンドリングのスキルとスクリーンプレーから攻撃にアクセントをつけるプレーヤーだ。特にプルアップジャンパーの安定感には定評があり、リーグではニキール・アレクサンダー・ウォーカー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)と比較されてきた。素晴らしいシュートスキルとアンセルフィッシュなプレースタイルにより、将来的には世代屈指のプレーヤーに成長するかもしれない。
グリズリーズのウェルズ獲得は、昨年のGG・ジャクソン(メンフィス・グリズリーズ)指名に次いで、今年最大のドラフトスティールとなった。合計プレータイムはルーキーの中で2番目に多く、マーカス・スマート(メンフィス・グリズリーズ)の欠場により、直近の4試合では先発に抜擢。そのうち3試合で15得点以上をマークしており、主力を欠くグリズリーズにとってかけがえのない存在となっている。
サマーリーグでは決勝のブザービーター、プレシーズンでも終盤にビッグショットを沈めるなど、クラッチタイムの勝負強さも織り込み済み。日本人としては河村と同期であることはもちろん、日本代表不動のセンターであるジョシュ・ホーキンソン(渋谷サンロッカーズ)と同じワシントン州立大学の出身であることからも応援しがいのあるプレーヤーだろう。
文=Meiji
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