2024.10.14
一昨シーズンにMVPを受賞したフィラデルフィア・セブンティシクサーズの大黒柱、ジョエル・エンビードは2024-25シーズンの駆け出しが順風満帆だったとは言い難い。未だにプレータイムはなく、オフの調整不足が欠場の理由という報道もある。
メディアやファンからも厳しい目線を向けられ、フラストレーションを溜めるなか、事件は起きてしまった。7度のオールスターは11月3日(現地時間2日)にホームで開催されたメンフィス・グリズリーズ戦の敗戦後、ロッカールームで起きた口論の末に記者を突き飛ばし、NBAから3試合無給の出場停止処分を下された。
リーグのバスケットボール運営責任者であるジョー・デュマースは、この事件にともない以下の声明を発表している。
「NBAの選手とメディアの関係において、互いを尊重する姿勢は最も重要なことです。ジョエルが記者が執筆したコラムの原文を読み、個人的に不快感を覚えたことは理解していますが、交流する場合は両者がプロフェッショナルでなければならず、決して暴力的になってはいけません」
『The Athletics』は、この突き飛ばされた記者がフィラデルフィアの地元紙『INQUIRER』のマーカス・ヘイズ氏としている。同記者はエンビードの欠場について繰り返し批判を続け、10月23日付けの記事では、2014年に13歳の若さにして自転車事故で命を落としたエンビードの弟アーサーについて言及。この箇所については後日削除されたものの、同選手はヘイズ氏のコラムに対して不満を隠せなかった。
「皆が『彼はプレーしたくないのだろう』と言っている。僕はそんなことを言われるために、この街のために自分を危険に晒してきたわけではなく、あまりにも多くのことをもたらしてきた。受け入れられないよ。僕は他でもないフィラデルフィアのために身を削ってきたんだ」
エンビードは眼窩骨折、足首のトラブル、半月板断裂など毎年のようにケガと付き合うキャリアを送っている。8年間のキャリアにおいて、レギュラーシーズンの出場試合数が68試合を超えたことはなく、昨シーズンはわずか39試合の出場に止まった。
また、10月24日(同23日)のミルウォーキー・バックス戦でもエンビードをベンチに置いたことでNBAは調査を開始し、球団の健康状態に関する一貫性のない発言を受けて、チームに10万ドル(約1500万円)の罰金処分を言い渡している。
エンビードの出場停止処分は、11月7日(同6日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦から適用され、シーズン最初のカップ戦となる11月13日(同12日)のニューヨーク・ニックス戦から復帰が可能となる。
エンビードには処分後までにコンディションを整え、コートで批判を払拭するようなダイナミックなプレーを期待したい。
文=Meiji
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