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八村塁は長期的戦力としてキープか…レイカーズの今冬の市場におけるトレード獲得候補

レイカーズでNBAキャリア6年目を過ごしている八村塁[写真]=Getty Images

 12月16日(現地時間15日)、NBAの冬の移籍市場がオープンした。先手を打ったのは、デニス・シュルーダーを獲得したゴールデンステイト・ウォリアーズだったが、今冬はロサンゼルス・レイカーズも大胆な動きに出ると見込まれている。

 来シーズンはレブロン・ジェームズがプレーヤーオプションとなるため、2027-28シーズンまで契約を結ぶアンソニー・デイビスとの強力デュオの寿命は残りあとわずか。ロブ・ペリンカゼネラルマネージャーは、タイトル奪取のために最後のチャンスを逃すわけにはいかない。また、チームは11月下旬からキングの不調と共に急激に失速し、このままいくとプレーオフ進出にも黄色信号が点りかねないため、調子が上向かなければフロントには一層プレッシャーがのしかかるだろう。

『The Athletics』のジョバン・ブハ記者は、レイカーズの今冬の動向を予想。補強のポイントおよび具体的な獲得候補にも言及している。

■獲得候補の選手たち

レイカーズが関心を示しているバランチュナス[写真]=Getty Images


 長らくレイカーズの補強ポイントとして噂が絶えないポジションは、センターだ。クリスチャン・ウッドが戦力として計算できない今、タフで体格に恵まれ、ディフェンス面での貢献が期待できるビッグマンは、現ロスターにおいてデイビスや八村塁との補完関係を築く上で切望しているピースだろう。

 その最有力候補が、今冬の人気銘柄とされるヨナス・バランチュナスだ。今シーズンからワシントン・ウィザーズに加入したリトアニア産のインサイドプレーヤーは、新しい環境に馴染めず、スターターとしての起用は24試合中わずか6試合にとどまっている。機動力に欠けるというデメリットこそあるものの、年俸は1000万ドル(約15億4000万円)と現実的。バランチュナスは2018-19シーズンのメンフィス・グリズリーズ加入以来、5シーズン連続で得点とリバウンドで平均ダブルダブルのスタッツを残しているほか、レブロンが給与を引き下げてでも獲得したい選手リストにも含まれていたプレーヤーで、JJ・レディック監督やデイビスも頼りになるセンター獲得を希望していたことから、他球団よりも優れたオファーを提示しにいくだろう。

 一方で、引く手数多のバランチュナスを獲得できなかった場合、キャリア3年目を迎え安定感の増すユタ・ジャズのウォーカー・ケスラーや、ポートランド・トレイルブレイザーズのジェレミー・グラントロバート・ウィリアムズ三世にもアプローチする可能性があるという。

 同時に、レイカーズはレブロンとADを支えるスターター/クローザークラスの大型3&D、そしてサイズと俊敏性、ディフェンススキルを兼ね備えたガードにも関心を抱いている。

 その中でもレイカーズは、ネッツのドリアン・フィニー・スミスに長らく興味を示してきた。余計な主張をせず、オフェンスではコーナーで辛抱強くチャンスを待ち、ディフェンスでは相手のエース潰しに一役買う仕事人。本来であればジャレッド・バンダービルトがその役目を担うはずだが、同選手はしばらくケガに悩まされており、球団が一貫性を求めて入れ替えを視野に入れるのは賢明なプランニングと言える。加えて、ネッツが再建に舵を切ったことからも、レイカーズが指名権を提示すれば、両者の需要と供給はマッチするはずだ。

 ブハ記者は、その他の獲得候補として同じくネッツのキャメロン・ジョンソン、ジャズのコリン・セクストン、そして実現すれば出戻りとなるウィザーズのカイル・クーズマを挙げている。一方で、ニューオーリンズ・ペリカンズのブランドン・イングラムやシカゴ・ブルズのザック・ラビーンなど移籍の噂が付きまとうオールスタークラスの選手たちについては、高額なサラリーがネックに。これにより、レイカーズが積極的に獲得に乗り出す可能性は低いと見られている。

■レイカーズのトレードアセット

欠かせぬ主軸となった八村もトレード候補に?[写真]=Getty Images


 では、その対価として、レイカーズにはどのような手札があるのだろうか。

 レイカーズはレブロンとデイビスを中心に引き続きチームづくりを実施していく方向にあることから、両選手をテーブルに上げることはない。また、過去にデジャンテ・マレーの獲得交渉において流出を阻止し続けたオースティン・リーブスにも、引き続き高いハードルが設定されている。加えて、ドラフト以前からキングが才能を買っていたルーキーのダルトン・コネクト、今夏に締結した4年の契約延長に期待が表れているマックス・クリスティーのヤングコアも球団の未来を担うピースと見なされているようだ。

 彼らを除外し、先述の獲得候補とサラリーバランスを揃える場合、レイカーズは1000万ドルから2000万ドル(約30億7000万円)の給与を受け取る中堅選手がメインの交渉材料となる。それに該当するのが、ディアンジェロ・ラッセル、ゲイブ・ビンセント、バンダービルト、そして八村塁の4選手だ。

 ブハ記者のレポートでは、レディック監督とペリンカGMが堅実で勤勉な八村を球団の長期的な選手と見なしており、このグループの選手内では最も移籍の可能性が低いとしている。しかし、ラッセルはオフのトレードで買い手が見つからず、ビンセントもマイアミ・ヒート時代ほどのインパクトを残せていない。バンダービルトも復帰の目処が立っていないとなると、レイカーズが思惑通りに動くのは困難かもしれない。

 ジェイレン・フッド・シフィーノ、キャム・レディッシュ、マクスウェル・ルイス、ウッドなど、低サラリーの選手たちについては移籍を厭わないが、トレードにおいては給与のマッチングとロスターのスポット確保が役割になるとの見解。そうした場合、レイカーズは3つの1巡目指名権(2029年、2030年、2031年)と、5つの2巡目指名権(2025年、2027年、2030年、2031年、およびロサンゼルス・クリッパーズの2025年の2巡目指名権)およびスワップ権を盛り込むことになるが、レブロン政権解体後の展望と天秤にかける必要があるだろう。

 ブハ記者は、リーブスの条件を引き下げ、ドラフト権を提示すれば現実的な交渉が可能になると提案。だが、交渉相手は中堅サラリーのプレーヤーよりもコネクトやクリスティーを要求すると予想した。

 今シーズンは売り手よりも買い手側の需要が多いとの見解もあり、ハイレベルなロールプレーヤーも通常より価格が高騰する可能性が高い。なかなかに腰の重いレイカーズのフロントは、どのように折り合いをつけるのだろうか。

文=Meiji

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