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クリス・ポールが引退時期に言及「あと1、2年は続けようと思っている」

来年5月6日に40歳の誕生日を迎えるクリス・ポール[写真]=Getty Images

 今シーズンよりサンアントニオ・スパーズに加入したクリス・ポール。ポイントガードとして20年目のキャリアに挑むプレーヤーはNBA史上初であり、現在はキャリア通算アシスト数を1万2099本まで伸ばし、ジョン・ストックトンに次ぐ歴代アシスト数ランキングで2位にまで上り詰めた。

 そのCP3が、スパーズの黄金期を支えたトニー・パーカーと膝を突き合わせ、スパーズの公式YouTubeチャンネルで対談を実施した。

 ポールは、入団前のスパーズファンに送るメッセージの一部でパーカーに言及。大学からNBA入りを決める際にはメンターとして彼を頼り、同選手を「兄のような存在で、親友の一人」とし、その親密な関係性を明かしていた。一方のパーカーも数々の勝負を繰り広げてきたポールが、キャリア晩年に自身の古巣に加入するとは想像もしていなかったようで、ポールのジャージ姿を見た際には奇妙な感覚に陥り、心底信じられなかったという。
 
 そんなリーグの歴史に名を残す名手たちのトークセッションは、スパーズファンのみならず必見の内容となった。会話の途中では思い出話に浸るシーンもあり、両者は現役時代、プレーオフで対戦中にもかかわらず、ポールがパーカーの自宅を訪問。すると後日、パーカーはそれを聞いたグレッグ・ポポビッチ監督から「何をしたんだ?ダメに決まっているだろう、プレーオフ中だぞ」と叱られたという。こうしたエピソードからも、いかに2人が親密な関係にあるのかがわかる。

NBAオールスター2009で記念撮影するパーカーとポール[写真]=Getty Images


 もちろん、終始談笑していたわけではない。パーカーはポールに対するひとつの疑問として、なぜキャリア終盤にもかかわらず、優勝を狙えるチームではなくて再建中のスパーズを選択したのか尋ねた。すると、5度のアシスト王は昨シーズンの苦悩に触れ、以下のように回答している。

「去年は僕にとって、最も厳しい年だったと思う。君は何よりもそのことを知っているはずだけど、僕はバスケットボールが大好きで、プレーしたいんだ。そして、妻のジェイダは子どもたちとロサンゼルスにいる。家族を犠牲にし、彼らと離れるなら、少なからずプレーしなければならない。言いたいことは分かるよね。勝つ保証は誰にもない。優勝できるのは1チームだけだからね。僕は自分自身と向き合って、まだプレーできる、バスケットボールができると思ったんだ」

昨シーズンはカリー擁するウォリアーズに在籍していたポール[写真]=Getty Images


 ポールは昨年、ステフィン・カリーを擁するゴールデンステイト・ウォリアーズに在籍。平均プレータイムはデビュー以来初めて30分を下回り、その結果、得点とスティールはキャリアワースト、アシストもキャリアで2番目に低い水準となった。渡り歩いたどの球団でも絶大な影響力を誇ったポールにとって、バックアップガードとして過ごす時間は耐え難く、その経験からスパーズへの加入を決断したのだった。

 さらに、来年5月で40歳を迎えるポールは、残りのキャリアや引退後のプランについても言及している。

「多分だけど、あと1、2年は続けようと思っている。最も悩ましいのは、今日の練習もそうだけど、まだバスケットボールの全てが大好きということ。それと同時に、家に帰って子どもたちの試合をiPadで見なければならない。現在はそれらが綱引きをしているような感じかな。ずっとコーチはやらないと言ってきたけど、それもどうかわからない。今は色々なことにオープンだよ」

スパーズで輝きを放つクリス・ポール[写真]=Getty Images


 スパーズは昨シーズン、カンファレンス最下位で1年を終えたが、今シーズンは若手の成長とポールの経験により11位までステップアップし、プレーオフ進出を目指している。ポール自身も9度のダブルダブル、フリースローは35本試投して1本も失敗なしと、抜群の安定感でロスターを牽引している。

 ポイントゴッドに残された時間はあとわずか。その一挙一動を目に焼き付けておきたい。

文=Meiji

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