2時間前

血栓による離脱を乗り越えて…河村勇輝が3カ月ぶりにコートへ帰還、現在の心境を語る

メディア対応を行う河村勇輝 [写真]=山脇明子
ロサンゼルス在住ライター

 NBAという舞台で十分に証明していない若手選手にとって、フリーエージェントからNBAチームとの契約を手に入れることは、至難の業だ。河村勇輝のように、メンフィス・グリズリーズでの1年目、勝敗に関係のある場面でのプレーは少なかったものの、ハイライトとして紹介される好スキルも披露してきた選手にとってはなおさらで、自らにどんなプレーができるのかを知られている中で、いかに卓越したプレーがきるかが試される。それだけに「フィジカルに、そしてより速く、より強くプレーできるように」と努力を重ねてサマーリーグに挑み、自らの存在がいかにチームを勝利に導く原動力となるかを見せつけてシカゴ・ブルズとの2way契約を手に入れた。 

 2年目に向けて、準備万端だった。ところが、トレーニングキャンプが始まり、次第に右足に痛みを感じるようになった。検査をしたところ、血栓ができていることがわかった。最低でも3カ月は戦列を離れることになり、ブルズは河村との契約を解除というかたちで戦列から外した。

 それから約3カ月。河村はブルズと再び2way契約を交わし、コートに戻ってきた。

 何かいいことでも起こりそうな青空が朝から広かった16日(現地時間15日)、カリフォルア州オーシャンサイド市にあるロサンゼルス・クリッパーズ傘下のサンディエゴ・クリッパーズのアリーナで、河村は声を出し、元気にボールを追った。試合を想定した連携プレーで河村がコーナーから3ポイントシュートを決めると、同じ2way契約のエマニュエル・ミラーが、日本人メディアの方を見て、「ユウキ!」とうれしそうに頷く。河村自身も自らが持っていたタオルを冗談でコーチの一人の肩にかけるなど茶目っ気たっぷりだ。

元気な姿をメディアを前に披露 [写真]=山脇明子

 ブルズ傘下のGリーグチーム、ウィンディシティ・ブルズのビリー・ドノバンⅢヘッドコーチは、「勇輝のプロ意識、ゲームへの愛に敬意を表する。サマーリーグで自身の力を証明して2way契約を得たことやNBAのブルズでのトレーニングキャンプで彼が見せてきたパフォーマンスを考えると、彼のことを気の毒に思ったし、ショックだった。だがしっかりとこの場に戻ってきた。彼はまさにプロフェッショナルだ。本当に一生懸命努力してきた。彼がまた機会を得たことをうれしく思う」と話した。

 ドノバンⅢHCによると、現時点で出場の可能性が高いクリッパーズ戦においては、河村は控えからの出場で、以降のことは、試合での様子を見てから考えていくという。

 ただ何よりも、河村勇輝が帰ってきたということが、今は大きな意味を持つ。

 シュートアラウンド後に囲み会見に応じた河村の一問一答は、次の通り。

文・写真=山脇明子

至難の2way契約を勝ち取った矢先に

明るい表情で練習に参加する [写真]=山脇明子

――血栓だとわかったときのことを教えてもらえますか?
河村 ドクターとブルズとも話し合って、選手生命にも関わる大きな病気だいうことを伝えられました。3カ月間薬を飲んで、ドクターからの許可が出るまでプレーできないと言われたときはもちろんすごく悔しい気持ちはありました。でも起こったことなので、しっかりと前を向いて、今自分ができることをしっかりやろうとすぐに気持ちを切り替えてやりました。

――(血栓と診断される前に)痛みがあったとコーチが言っていましたが、痛みがあってそれがわかったということですか?
河村 そうですね。痛みと腫れがあったので、そこで検査したところ、そういったかたちになりました。

――痛みはいつごろぐらいからあったのですか?
河村 プレシーズンが始まったときには、もう痛みが出ていました。でもプレーはできる状態ではあったので。痛みが出て2週間ぐらいしてからやっぱりちゃんと検査しようという話になって検査したところ、そういった結果でした。

――具体的に場所としてはどこの部分ですか?
河村 ふくらはぎと足首です。

――2カ所に血栓が?
河村 そうですね、はい。

――3カ月という長い期間離脱になったことで、時間のマネジメントやメンタリティーのあたりはどうでしたか?
河村 違うケガだったり、普通の外傷だったりしたら、 1週間とか2週間、もしかしたら(復帰を)早められるみたいなこともあり得るとは思いますが、最低3カ月という診断を言われていたので、まあ仕方ないなというか。でも自分にとって成長できる いい3カ月にしようと伝えられた次の日から切り替えてできていたので、本当に充実した生活を過ごしていたと思いますし、今日このようなかたちで試合に出られることにすごく興奮しています。

――3カ月もバスケットボールから離れたというのは、初めてですか?
河村 はい。初めてです。

――その間、どういうところが一番つらい部分でしたか?
河村 サマーリーグで契約を勝ち取って、ある意味、自分の実力でというよりは…。まあケガも含めて実力と言えばそうなんですけど、そういったかたちじゃないところでウェイブされてしまってコート外でプレーを見ないといけないというのは、もちろん悔しい気持ちでいっぱいでした。でも起こることすべてに意味があると思っていますし、それが本当に自分の行動次第では絶対プラスに取られる 3カ月間になると思ってはいたので、このようなかたちで戻ってこれて嬉しいです。

――そんな中、ブルズが常にチームに関わっているというかたちを取ってくれたことに関してはどうですか?
河村 本当に感謝しています。たぶん復帰まではブルズが世話をしないといけないというNBAのルールがあると思うので、そういったかたちではあると思うんですけど、それであってもワークアウトのところもリフトのところも、リハビリのところも、すべてにおいて本当にしっかりとケアしてもらって。事実、今僕がここにいるのはそういったブルズのヘルプがあったからこそだと思っているので、本当に感謝したいなと思いますし、この思いをしっかりとプレーで恩返しできるように頑張りたいなと思っています。

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