2026.01.23
ドラフト1位のルーキー、クーパー・フラッグ(ダラス・マーベリックス)は、想像以上の逸材なのかもしれない。毎年のように耳にする「◯◯年に一度の才能」や「◯◯(選手名)以来の逸材」というような謳い文句。だが、この18歳には彼方此方(あちこち)で匿名のリーグ関係者たちが惚れ惚れとしている。
『ESPN』のティム・マクマホン記者は、レギュラーシーズンの折り返し地点に辿り着いたフラッグを“前評判以上”とした。言葉の響きからはそこそこの評価のように聞こえるが、フラッグのNBA入団前の評価を振り返れば、それがいかに優れたものかがわかるだろう。
マクマホン記者によれば、フラッグは対戦相手チームのコーチやスカウト、幹部たちから絶賛されているという。2020年の最優秀ヘッドコーチ賞を受賞したフィラデルフィア・セブンティシクサーズのニック・ナースヘッドコーチ(HC)もその1人だ。
「彼(フラッグ)の攻撃の起点となる能力には本当に感心しています。自陣から上がってくる場面でボールを持ち、そこからしっかりと違いを生み出しています。いつ見ても印象的ですよ。コートの端から端までボールを扱えて、自分の得点機会を作るにせよ、味方のためにチャンスを演出するにせよ、オフェンスを組み立てられる選手だと思います。本当にハードにプレーしていますし、競争心も高い。明らかにゲームをよく理解していています」
ナースHC以外の指揮官たちからも賞賛はやまない。マーベリックスの指揮官であるジェイソン・キッドHCは、フラッグには「勝利の才能がDNAに流れている」と語り、アメリカ代表で共に時間を過ごしたオーランド・マジックのジャマール・モズリーHCは「彼はたくさんの質問をしますね。バスケットボールのIQが高い選手は質問をするものなのです。静かな自信に溢れていました」とコミュニケーション能力の高さに言及した。
また、デンバー・ナゲッツのデイビッド・アデルマンHCは「出来が悪い日でも見ていたい」とフラッグのプレーする意欲に着目。同球団の不動のエースであるニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)も「本当に成熟している」と語り、若さを感じさせない完成度に舌を巻いている。

ヨキッチもフラッグを評価 [写真]=Getty Images
ドラフト前のスカウティングレポートにおいて、フラッグは攻守での総合力が高く評価されていた。それは裏を返せば、突出したスキルセットがなく、キャリア初期から得点源を担うことには懐疑的な意見があったのだ。しかし、蓋を開けてみると、攻撃面での比較対象となるのは、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)ただ一人となっている。『ESPN』によれば、18歳時点での1試合最多となる42得点11アシストはキングを上回る歴代最高記録であり、1試合平均18.8得点というフラッグの成績を唯一上回っているのが、レブロンの平均20.2得点である。
また、『ESPN』はフラッグは右利きでありながら、左手でのドライブとフィニッシュが特に効果的だと指摘している。両手それぞれのレイアップとダンクの成功数が60本に達している選手は、リーグでもフラッグのみ。『GeniusIQ』のデータによれば、フラッグは左手でのレイアップおよびダンクを109回試投しているが、右利きの選手で同選手よりも試投数が多いのはニキール・アレクサンダー・ウォーカー(アトランタ・ホークス)しか存在しない。
フラッグの唯一の欠点はアウトサイドであり、3ポイント成功率は3割を下回っている。これはドラフト前のスカウンティングレポートにも記載のあったとおりだが、リーグ関係者は、オフシーズンにフォームを作り直すことで伸びると予測。一方で、ウェストの某GMは、可能な限りシューターを加えて、フラッグを中心とした長期的なチーム作りを提案している。
フラッグがいれば、時代を作り上げたベテランたちも安心してシューズを脱ぐことができるのかもしれない。ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、マブスの32番の背中に、NBAの未来を見たようだ。
「まさに真のバスケットボール選手だ。凄まじい競争心だよ。コート上での存在感は、彼がどれだけ若いかを忘れてしまうほどだった。未来は明るいよ。1年目にして、明るい光の中でプレーする感覚を理解しているんだ」

カリーは「明るい光の中でプレーする感覚を理解しているんだ」と語った [写真]=Getty Images
素質、人間性、若さ。その全てを備える新人、クーパー・フラッグ。順番が回ってくれば、NBAの顔を任される準備はできている。
文=Meiji
2026.01.23
2026.01.23
2026.01.23
2026.01.23
2026.01.22
2026.01.22