アメリカのバスケットボール界に衝撃のニュースが舞い込んできた。NBAの下部組織であるGリーグの選手が殺人罪で起訴される、と現地メディア『ESPN』が報じている。

　殺人罪に問われているのは、サクラメント・キングス傘下組織であるストックトン・キングスに所属するチャンス・コマンチ。ラスベガスで行方不明となっていた23歳の女性が死亡した事件において、誘拐と失踪に関与したとして恋人の19歳女性とともに先週逮捕された。コマンチ容疑者は逮捕後、所属チームによって保釈されているが、12月18日（現地時間17日）のラスベガス警察の発表で、2人が殺人罪で起訴されることが明らかになった。

　ラスベガス警察によると、亡くなったのはワシントン州の医療助手マラライナ・ロジャース氏であり、行方不明となったのち、ネバダ州ヘンダーソンの砂漠地帯に遺体で発見されたとのこと。ロジャース氏は12月6日、サカリ・ハーンデン容疑者を含む友人らとラスベガスに旅行に来ており、その際にハーンデン容疑者の恋人であるコマンチ容疑者とも会っているという。その後、ロジャース氏は8日に行方不明が報告されていた。

　警察は声明の中で「捜査の初期段階で、誘拐と失踪に関与したとしてコマンチ容疑者らを逮捕するための証拠を入手した」としている。ロジャース氏の姿が最後に確認された6日の前日、コマンチ容疑者はラスベガスから約25キロメートル離れたネバダ州ヘンダーソンでGリーグの試合に出場していた。

　現在27歳のコマンチ容疑者は、アリゾナ大学でプレーしたのち、かつて渡邊雄太も所属していたGリーグのメンフィス・ハッスルからプロバスケットボールのキャリアをスタート。その後はチームを転々とし、昨シーズンからストックトン・キングズに所属する。4月にはポートランド・トレイルブレイザーズの一員としてNBAの試合にも出場した。

　報道によれば、同容疑者は20日にも出廷する予定。なお、恋人のハーンデン容疑者は腕時計の窃盗容疑でも逮捕されている。