2018.10.22
現地時間7月1日のフリーエージェント(FA)交渉解禁日。大物FAの1人として大きな注目を集めていたポール・ジョージは、早々にオクラホマシティ・サンダーと4年1億3,700万ドルで再契約に合意した。
カリフォルニア州パームデール出身のジョージは、幼い頃からロサンゼルス・レイカーズの大ファン。昨季終了後、当時所属していたインディアナ・ペイサーズに対して、「来年(18年)はこのチームと再契約はしない。レイカーズでプレーしたい」と爆弾発言。
するとペイサーズは、昨年7月7日(同6日)にジョージをサンダーへトレード。ビクター・オラディポとドマンタス・サボニスを見返りに獲得した。
ジョージにとって、トレード先がサンダーだったことがその後の去就に大きな影響をもたらした。
現地メディア『ESPN』による“Paul George decision documentary”の第3部で、ジョージはこう語っている。
「1年前、OKC(サンダー)へ行く前にレイカーズへ行きたかった。でも不運にもレイカーズへトレードされることはなかった。レイカーズは僕をつかみ取ることができなかったんだ。そして僕はオクラオマ(サンダー)にトレードされた。それは僕にとって美しいものとなったのさ」。
今回のFA交渉において、ジョージとレイカーズは一度もミーティングの場を設けることはなかったという。それでもジョージにとって、レイカーズというチームは今後も故郷のチームであり続ける。
「とてもストレスを感じていた。決して簡単な決断ではなかった。それでも僕は、ホームに戻って来てほしい、彼らの前でプレーしてほしいと望んだレイカーズという組織に100パーセント感謝している」とジョージが語っていたことからも、ホームへの思いが感じられる。
だが、サンダーでプレーした1年間で、ジョージの考えは変わったという。
「(サンダーは)オープンかつ正直で、じかに関わりを持つことができている。だから本物の信頼関係を維持できているんだ。すべてが本物だと僕は思った。サム(・プレスティGM)との関係もそうだし、ラス(・ウェストブルック)との結びつきもそうだ。僕はこのチームを家族だと感じているし、サンダーという組織を兄弟のように思っている」。
サンダーの本拠地、オクラホマシティはスモールマーケットである。ニューヨークやロサンゼルス、シカゴのようなビッグマーケットと比較すると、これまでFA選手にとって人気があるフランチャイズでもなかった。
それでも、選手同士、そしてチームの組織全体で密接な人間関係を構築し、強固な信頼関係へと発展させてきたということなのだろう。
サンダーは今夏、ジョージとジェレミー・グラントとの再契約に成功しただけでなく、高い身体能力を誇るナーレンズ・ノエルとの契約にも成功。また、今季控えポイントガードを務めたベテラン、レイモンド・フェルトンとも1年240万ドルで再契約に合意した。
その分、来季のサンダーはサラリーキャップをオーバーし、ラグジュアリータックスを支払う可能性も大いにある。だが、時間をかけて築き上げてきたチームケミストリーにメスを入れず、さらに新戦力を加えることを選択した。
戦力保持どころか戦力増強となったサンダー。王者ゴールデンステート・ウォリアーズやヒューストン・ロケッツ、レブロン・ジェームズ加入のレイカーズなどに話題が集まりそうだが、サンダーの巻き返しも非常に楽しみである。
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