2019.03.19
2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。
※チーム分けのドラフトは2月8日(同7日)のため、リザーブ選手を順に紹介
センター/213センチ/113キロ/キャリア4年目
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<NBAにおける主な記録・功績>
オールスター選出:1回(2019)
<2018-19シーズン 個人成績>
平均31.3分20.1得点10.4リバウンド7.7アシスト1.4スティール
※2月6日(現地時間5日)終了時点
2月6日(同5日)終了時点でウエスト2位(37勝16敗)と好調を維持するナゲッツにおいて、大黒柱ヨキッチの存在感は213センチ113キロの体格以上に大きなものとなっている。
キャリア4シーズン目の今季、ヨキッチは上記に記載した得点、リバウンド、アシスト、スティールでチームトップを記録。ここまでリーグ5位タイのダブルダブル(36回)に加え、トリプルダブルではリーグ2位の10回と、多方面に渡って大活躍。
得点、リバウンド、アシストの3拍子そろったセンターとしてリーグでもその地位を確立したヨキッチ。ナゲッツの躍進は、この男の入団から始まったと言っていいだろう。
2014年のドラフト2巡目全体41位でナゲッツから指名されたヨキッチは、翌15-16シーズンからNBAデビュー。このシーズンにヨキッチは平均10.0得点7.0リバウンド2.4アシスト、チームは33勝49敗に終わったものの、翌16-17シーズンに転機が訪れる。
当時ナゲッツにはヨキッチに加え、“ボスニアン・ビースト”の愛称で知られるユスフ・ヌルキッチというビッグマンがいた。16-17シーズンも互いにプレータイムを分け合っていたのだが、ナゲッツは17年2月にヌルキッチをポートランド・トレイルブレイザーズへトレードし、ヨキッチ中心のチームとする方針を固めたのである。
するとトレード前まで平均16.3得点8.9リバウンド4.3アシストを記録していたヨキッチは、トレード後の24試合で平均17.7得点11.6リバウンド6.1アシストとスタッツが向上。チーム成績もオールスター前の25勝31敗から、オールスター後は15勝11敗の白星先行となり、プレーオフ出場まであと1勝に迫るウエスト9位(40勝42敗)まで迫る躍進を見せた。
昨季のヨキッチは名実ともにナゲッツの大黒柱として君臨。平均18.5得点10.7リバウンド6.1アシストに加え、トリプルダブルを10回も記録する活躍でナゲッツをけん引。チームはミネソタ・ティンバーウルブズとのレギュラーシーズン最終戦に、勝利した方がプレーオフ進出という位置にまで上りつめた。ヨキッチはその試合でゲームハイとなる35得点に10リバウンド3アシストを挙げたものの、延長の末に敗れてしまう。昨季のナゲッツは46勝36敗を残したものの、2年連続でプレーオフ出場を1勝差で逃すという悔しい幕切れとなってしまう。
昨夏、ナゲッツはヨキッチと5年1億4,800万ドル(約161億3,200万円)というマックス契約を締結。“今季こそは”という思いで今季を迎えると、開幕2戦目でヨキッチがいきなり超絶パフォーマンスを披露。
昨年10月21日(同20日)のフェニックス・サンズ戦。ヨキッチは約31分の出場でフィールドゴール11本(うち3ポイントは3本)すべてを決め切り、フリースロー11投中10本成功の35得点に加え、12リバウンド11アシストのトリプルダブルに4スティールの大暴れ。
フィールドゴール10本以上すべて成功のパーフェクトゲームで30得点以上を挙げてトリプルダブルを達成したヨキッチは、1967年のウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)以来となる史上2人目の快挙を達成。さらにはターンオーバーをゼロに抑える超効率の良いプレーで勝利をもたらした。
ヨキッチは決して高い身体能力を持ち合わせているわけではないものの、柔らかい身体と独特のタイミング、そして高度なスキルを駆使して毎試合オールラウンドな活躍を見せている。1月後半から6連勝するなど、ナゲッツも好位置をキープしている。
ナゲッツの選手としては11年のカーメロ・アンソニー(現未所属)以来のオールスター選出となったヨキッチ。リザーブ枠として球宴入りを決めたヨキッチは、このニュースを知った時のことを「まず彼女が泣き始めた。で、僕に向かって兄弟たちが大声を上げて叫び始めたんだ。『おいおい、皆しっかりしろよ~』って感じだった」と『TNT』へコメント。そして冷静にこう続けた。
「今シーズンが始まった時点で、僕はオールスターになれるだなんて思っていなかった。僕は(ナゲッツを)プレーオフチームにしたかった。そしてできればNBAファイナルまで勝ち進み、できればチャンピオンシップを勝ち取りたい。オールスター選出は、僕にとってちょっとしたトロフィーのようなものだと思ってる」。
2月19日に24歳を迎えるヨキッチは、今季こそ自身初のプレーオフ出場を果たすことになるだろう。そして今後もチームとしてより成熟し、自身も成長を遂げることで覇権争いの中心へ加わることができるのではないだろうか。
セルビア出身のヨキッチは、2016、17年のライジングスターズに「TEAMワールド」の一員として2年連続先発出場。17年には21分6秒のプレータイムながら12得点11リバウンド8アシスト3スティールとマルチな活躍で勝利に貢献。
また、17年にはスキルズチャレンジにも出場。スピードに恵まれているわけではないものの、自慢のオールラウンドなスキルを駆使してイベントを楽しんでいる姿が印象的だった。今年は自身初のオールスター本戦と、スキルズチャレンジに登場する。
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