2019.06.20
5月19日(現地時間18日)。ポートランド・トレイルブレイザーズ(2敗)はホームのモーダ・センターでゴールデンステイト・ウォリアーズ(2勝)とのウエスタン・カンファレンス・ファイナル第3戦に臨んだ。
第2クォーターに37-26としたブレイザーズは、前半を終えて66-53とリードするも、第3クォーターに13-29とウォリアーズに猛攻を仕掛けられ、ブレイザーズは一気に逆転されてしまう。
3点ビハインドで迎えた第4クォーター序盤。ブレイザーズはザック・コリンズの3ポイントで同点とするも、その後リードを奪うことはできず、点差を広げられて最終スコア99-110で3連敗を喫した。
肋骨を痛めながらプレーしたデイミアン・リラードは、この日フィールドゴール18投中13本をミス。3ポイントは9投中3本、フリースローを8投中6本沈めたものの、計19得点。
6リバウンド6アシスト2スティールを奪うも、5本のターンオーバーを喫したほか、出場時間帯における得失点差では両チームワーストの-23と、踏んだり蹴ったりの結果となってしまった。
試合後の会見で「どれくらい疲れているか?」と聞かれたリラードは、「皆が疲れている」と切り返すと、こう続けた。
「長いシーズンの後であり、プレーオフの3ラウンド目だからね。俺たちが戦った直近のシリーズで、俺はたくさん注意を引いていたしね。チームはこのシリーズでも、俺に多くのチャンスを与えてくれてる。ディフェンスでは相手のガード陣を追いかけまわさないといけないから大変だよ。でもチームの皆はコート上で努力をしてくれている。だから俺はこれまでのように40分間プレーしても問題ないと感じてる。でも疲れているのは間違いないね」。
リラードはプレーオフに入って15試合をプレーしたのだが、徐々に成績がダウン。『StatMuse』によると、リラードはオクラホマシティ・サンダーとのファーストラウンド、デンバー・ナゲッツとのウエスト準決勝、ウォリアーズとのウエスト決勝(第3戦終了時点)における平均得点、フィールドゴール成功率、オフェンシブ・レーティング(100ポゼッションにおける得点)が下記のようにそろって下降しているという。
※FG=フィールドゴール、%=パーセント、ORTG=オフェンシブ・レーティング
■2019年プレーオフにおけるリラードのシリーズ別スタッツ
対サンダー:平均33.0得点、FG46.1%、ORTG118.4点
対ナゲッツ:平均25.1得点、FG40.7%、ORTG108.9点
対ウォリアーズ:平均20.3得点、FG32.6%、ORTG102.1点
3連勝のウォリアーズはNBAファイナル進出に王手をかけているため、21日(同20日)に行われるシリーズ第4戦は、リラードとブレイザーズにとってマストウィンゲームとなる。ケビン・デュラント不在ながらも、ステフィン・カリーがここまでの3試合すべてで36得点以上と絶好調で、ブレイザーズは窮地に追い込まれているというのが現状だ。
記者から「今のチームは第4戦で勝利するためのエナジーがタンクにまだ残っているか?」と聞かれると、リラードは「まずは1勝から始まる。あと1試合、ホームで戦うことができるんだ。堅実なスタートを切ることが重要。今の俺たちは、第5戦、第6戦のことなんて考えてはいられない。まずは第4戦で1勝しなきゃいけないんだ。俺たちは以前もホームでそれを達成できたから、俺たちならできると自信を持ってる」と語っている。
サンダーとの1回戦で肩を脱臼したエネス・カンターが、ウォリアーズとの第3戦はスターターからベンチスタートへ。通常では欠場してもおかしくないコンディションの中でプレーを続けていることは否めない。
それでも、プレーオフ初の先発出場となったマイヤーズ・レナードが3本の3ポイント成功を含むプレーオフ自己ベストの16得点に4アシストと奮闘したことは良い兆しと言っていいはずだ。
ブレイザーズは過去2年のプレーオフでいずれも1回戦でスウィープ敗退に終わっていた。それが今年は2000年以来初のウエスト決勝まで勝ち上がり、近年では最高の戦績を残している。
リラード率いるブレイザーズが、王者ウォリアーズの前に1勝もできずに4連敗を喫するシーンは見たくない。それが選手とファンの本音だろう。
はたして、リラードは第4戦で王者に一矢報いることができるのか。ブレイザーズ史上最高の選手を目指すリラードの有言実行に期待したい。
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