2019.07.12
5月31日(現地時間30日)に幕を開ける「NBAファイナル2019」。今年は3連覇を目指すゴールデンステイト・ウォリアーズと、フランチャイズ史上初出場を決めたトロント・ラプターズによる激突となる。
ウォリアーズのスティーブ・カーHCは、28日(同27日)の練習後、ファイナル初戦はケビン・デュラント(右ふくらはぎの肉離れ)が欠場、デマーカス・カズンズ(左大腿四頭筋の断裂)は“Questionable”(疑わしい)と『ESPN』など複数の現地メディアへ語った。
ラプターズとしては、4月中旬に虫垂切除術を受けてプレーオフを全休しているOG・アヌノビーの動向が気になるところ。ラプターズの地元メディア『TSN Sports』によると、ニック・ナースHCはアヌノビーについて「彼は良くなってきてる。今はコートに立ち、動き回っているよ。まだ100パーセントの状態ではないが、回復している」と語っており、シリーズの途中に戦列復帰が期待されている。
2年目のフォワード、アヌノビーはシリーズ中に復帰できれば、ウイングディフェンダーとしてプレータイムを得ることができそうだ。
また、ラプターズで気になるのはキャリア10年目のベテランシューター、ダニー・グリーンのシューティングスランプだろう。レギュラーシーズンではリーグ2位となる45.5パーセントの3ポイント成功率を残していたものの、プレーオフではここまで18試合を終えて31.4パーセントと大幅にダウン。
ミルウォーキー・バックスとのイースタン・カンファレンス・ファイナルでは、シリーズ全体でフィールドゴール成功率18.8パーセント、3ポイント成功率17.4パーセントと不発。最後の3試合では9本放った3ポイントすべてが空を切っていた。
28日(同27日)、グリーンはシューティングスランプについて「打ち続けるだけ」と『ESPN』へ語ると、「そのことについて考えすぎないこと。でも世界中の人たちから『気にするな』と言われるから、考えるなというのは難しいけどね。それに僕の近くを通りかかった人たちは『シュートし続けろよ』って言うんだ」と現状について明かしている。
とはいえ、グリーンはサンアントニオ・スパーズ在籍時に出場した2度のNBAファイナルにおいて、歴代5位となる3ポイント成功率52.2パーセントを保持。初出場となった2013年のファイナルでは、当時のNBA新記録となる27本の3ポイントを決めてきた(2016年にウォリアーズのステフィン・カリーが32本成功で記録更新)。
「僕はシュートを打ち続けるだけ。考えすぎず、メディアからの雑音を遮断するようにしていく」と語ったグリーンは、ファイナルの出場経験だけでなく、昨季まで所属していたスパーズでウォリアーズとはプレーオフを含めて何度も対戦してきた経験を持つ。
カリー、クレイ・トンプソンという歴代最高級のシューターたちをスローダウンすべく、ディフェンス面でも貴重な役割を与えられることが予想されているグリーン。ディフェンスで自身の役割を遂行しつつ、ショットでも当たりを見せ始めれば、ラプターズのカギを握るプレーヤーとなる可能性は十分ありそうだ。
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