2020.12.21
NBAの優勝回数でボストン・セルティックス(17回)に次ぐ16回を誇る名門ロサンゼルス・レイカーズは、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスというリーグでも10本の指に入るスーパースターを擁し、今夏オールスター級の選手をあと1人獲得可能なキャップスペースを残していた。
最大のターゲットとして、昨季のファイナルMVPに輝いたカワイ・レナードの獲得を狙っていたものの、同じロサンゼルスに本拠地を置くクリッパーズに奪われてしまい、第一希望をかなえることはできず。
するとレイカーズは、3選手との契約に合意。7月1日(現地時間6月30日)のフリーエージェント(FA)戦線が始まってから、レブロン、デイビス、カイル・クーズマのみと言っていいロースターに、以下の5選手を加えることに成功した。
■現地メディアが報じたレイカーズの獲得選手たち(チーム名は略称)
ダニー・グリーン(ラプターズ→レイカーズ) 2年約3,000万ドル(約32億4,000万円)
ジャベール・マギー(再契約) 2年820万ドル(約8億8,560万円)
ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ(再契約) 2年1,600万ドル(約17億2,800万円)
ジャレッド・ダッドリー(ネッツ→レイカーズ) 1年260万ドル(約2億8,080万円)
トロイ・ダニエルズ(サンズ→レイカーズ) 1年210万ドル(約2億2,680万円)
デイビスをパワーフォワードで起用したいレイカーズにとって、昨季75試合のうち62試合で先発センターを務めたマギーとの再契約は良い判断。キャリアハイとなる平均12.0得点に7.5リバウンド2.0ブロックを挙げた31歳のマギーは、今季もエネルギッシュなプレーを見せてくれることだろう。
7月10日に34歳を迎えるダッドリーは、キャリア12年を誇るベテラン。今季はデイビスやクーズマ、あるいはレブロンのバックアップとして堅実な働きが期待されている。
シューティングガードのグリーン、KCPことケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、ダニエルズは、3ポイントとディフェンスに特化した“3&D”としての起用が濃厚。ダニエルズを除く2選手はサラリーが高すぎるようにも映るが、最も期待がかかるのはグリーンだろう。
キャリア10シーズン目となった昨季、トロント・ラプターズで自身2度目の優勝を経験したグリーンは、ミスを犯すこともあるものの、レギュラーシーズンではリーグ2位の3ポイント成功率(45.5パーセント)をマーク。
プレーオフではスランプに陥ることがあったとはいえ、ゴールデンステイト・ウォリアーズとのファイナルでは勝利した試合で効果的に長距離砲を沈めて貢献しており、レブロンとデイビスにマークが集中する中、高確率で3ポイントをねじ込むことができると予想。
仮にグリーンがフィットしなくとも、昨季レイカーズで82試合にフル出場したコールドウェル・ポープ、昨季フェニックス・サンズで3ポイント成功率38.1パーセントを残したダニエルズが控えているため、大きな穴にはならないだろう。
これらの補強により、レイカーズはシューティングガード、スモールフォワード、パワーフォワードの選手層が厚くなったと言っていい。
その反面、ボールハンドラーとしてゲームメイクができるポイントガードが皆無に等しく、ビッグマンもローテーション入りできる人材が最低でもあと1人は欲しいというのが現状。
オフェンス面のインパクトは十分なため、低年俸で獲得できる献身的な司令塔とビッグマンを数人獲得して、今季を迎えたいところだ。
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