2020.01.10
イースタン・カンファレンス上位候補のフィラデルフィア・セブンティシクサーズは、ジョエル・エンビード、ベン・シモンズというオールスターデュオの周囲にトバイアス・ハリス、アル・ホーフォード、ジョシュ・リチャードソンで形成される強力なスターターを擁している。
平均身長206.6センチを誇るシクサーズの先発陣は、高さと長さを兼備したイースト屈指の実力を持っており、リーグ全体で見てもスターターの豪華さは間違いなくトップレベルにある。
ところが、12月16日(現地時間15日)のブルックリン・ネッツ戦の敗戦を皮切りに、マイアミ・ヒート、ダラス・マーベリックスにも敗れて3連敗。ネッツ戦ではエンビードが不在だったものの、ルカ・ドンチッチ不在のマブス戦では98-117で大敗。
昨季はシーズン途中からジミー・バトラー(現ヒート)が第4クォーターをリードし、プレーメイクをこなしていたものの、バトラーやJJ・レディック(現ニューオーリンズ・ペリカンズ)が退団した今季は第4クォーターにおける平均得点(25.1)がリーグワースト3位、ターンオーバー数でもリーグワースト2位と低迷。
3点差以内に決着した試合では4勝2敗と勝ち越しているとはいえ、優勝を狙うには不安定な戦いぶりと思われてもしかたない戦績となっている。
マブス戦を終えたエンビードは、相手チームが仕掛けてくるゾーンディフェンスへの対応について、『ESPN』へこのように苦言を呈していた。
「今夜は特に、俺たちは恐れながらプレーしていた。バスケットボールというのは本来イージーなものなんだ。シュートするかパスする、あるいは動いていくもの。もしシュートせずにパスばかりしていたら……。俺としては、今夜はいくつかオープンショットを狙える場面があった。シュートすればいいシーンがね」
マブス戦で、シクサーズはエンビードが両チーム最多の24本のショットを放って12本を成功。そのうち3ポイントも7投中3本決めるなど、ゲームハイの33得点に17リバウンドを奪ったものの、そのほかの選手が1人で12本以上のショットを放つことはなかった。
ゾーンディフェンスに対して、3ポイントで打開したいところだが、この日はチーム全体で34投中成功わずか10本、成功率29.4パーセントに終わり、マブスへプレッシャーを与えるにはいたらず。シーズン全体では成功率が36.0パーセントでリーグ12位ながら、試投数(平均29.7本/リーグ26位)、成功数(同10.7本/リーグ24位)ではいずれもリーグ下位クラスと、せっかくの高さを活かしきれていない。
マブスはシクサーズ戦でゾーンディフェンスを35ポゼッション、ヒートは今季リーグ最多となる38ポゼッションも敷いており、シクサーズに対する効果的なディフェンスとなっている。
22日(同21日)に行われるホームのワシントン・ウィザーズ戦でも、シクサーズはゾーンディフェンスを何度か敷かれることだろう。
ただし、ウィザーズについてはトーマス・ブライアント、八村塁というビッグマン勢が欠場、モリッツ・ヴァグナーも出場が微妙なため、シクサーズの高さ対策としてゾーンをせざるをえない状況と言っていい。
シクサーズとしては、アウェーで行われた6日(同5日)の今季初戦に113-119で敗れているだけに、ホームで着実に勝利しておきたい。年内にはミルウォーキー・バックス、ヒート、インディアナ・ペイサーズというイーストのライバルチームとの試合が組まれているため、ウィザーズ戦でチーム状況を好転させたいところだ。
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