2020.02.16
オーランド・マジック時代は元オールスター選手で、リーグナンバーワンセンターと謳われたドワイト・ハワード。だが近年はその陽気な性格が影響してチームとフィットせず、球団を転々とするキャリアを送っていた。ポジティブに捉えれば明るいキャラクターなのだが、シリアスな局面でも笑顔を絶やさないとすれば、真剣に競技に打ち込んでいる選手にとっては接しにくいことだろう。
かつて王朝を築いていたゴールデンステイト・ウォリアーズも、懸念材料であるインサイドの補強をするうえで、ハワードは取らないと断言していたくらいだ。エリート球団がそこまで獲得を拒否するくらい、ハワードのチームケミストリーに与える悪影響というリスクは高いものだったのだろう。
年齢によるケガもあり、いよいよ行き場を失いつつあったハワードだったが、今季がスタートする前の夏に転機が訪れる。そのオフシーズンに、チームの主力として期待されてロサンゼルス・レイカーズと契約をしていたデマーカス・カズンズが練習中に左膝前十字靭帯断裂という大ケガを負った。レイカーズは代わりの控えのセンターを欲しており、その際ハワードは候補の1人にされていた。彼はレイカーズのオーナーであるジーニー・バス含む、球団の重役たちとレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスらに、自ら無保証契約でチームのために役割に徹することを誓ったのだ。
「すべての練習、いつもウェイトルームで過ごす時も、それらは常にチャンピオンシップに繋がることだ。それこそが僕らが持っていたいと思えるメンタリティなんだ」と、コメントするハワード。シーズンが進むにつれて徐々に彼らしい無邪気な笑顔も戻ってきたが、それでも試合後に自主的な居残り練習を行うなど、これまでとはまったく異なる姿勢を貫いている。「ここロサンゼルスでその心構えを標準として持つこと。そういった毎日を送ることが、優勝を勝ち取るということを意味する」とつづるハワードからは、優勝への揺るぎない精神が感じられる。
これまでの挫折を乗り越えて、レイカーズへの絶対的な献身性を体現しているハワード。元スター選手であれば、皆がロールプレーヤーを受け入れられるわけではない。だがそれでもハワードは、「ありがたいと思うし、本当に感謝している」と、現在のチームの状況と自身について言及している。レイカーズが優勝を目指すうえで、今後ますます彼の活躍は重要になっていきそうだ。
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