2020.05.18
プレーヤーであれば、一度はシューティングフォームについて考えたことがあるだろう。飛距離はもちろん、正確性とリリーススピードは試合結果を大きく左右するからだ。
もちろん、それはNBAプレーヤーでも同じ。記憶に新しい選手でいえば、ロンゾ・ボール(ニューオーリンズ・ペリカンズ)はキャリア2年目からフォーム改革に取り組み、3ポイント成功率は約7%、フリースロー成功率は約13%も向上。ロサンゼルス・レイカーズ時代からのチームメイトであるブランドン・イングラム(ペリカンズ)も、ロンゾの努力する姿勢には脱帽しており、ハーフコートオフェンスでも驚異となる選手へと成長を遂げた。
そのシュートフォームについて、スポーツアナリティクスサイト『inpredictable』のマイク・ブオイが興味深いデータを紹介している。
Here is the overhead view (the path the ball traces if viewed from directly above the player).
While the profile view all looks like a variation of an S-curve, there's a lot more variety here from player to player.
Very little wasted movement in Steph's shot.
— Mike Beuoy (@inpredict) April 25, 2020
上のチャートは、NBAのトッププレーヤーたちのスリーポイントのシュートモーションをアニメーション化したもの。縦軸が高さ、横軸が水平距離を示しており、選手を真横から見て、リングが左側にあるとイメージすればわかりやすいはずだ。そして、曲線をなぞりながら移動する赤い球体がボールを表しており、それが消えたタイミングでショットが放たれている。
カリーのシューティングについては多方面で科学されてきた。例えば、2017年に『The Wall Street Journal』で紹介された記事では、数学的な観点からカリーのシュートを分析。スリーポイントシュートにおけるボールの最大到達点の平均は15.77フィート(約4.8メートル)なのに対して、カリーのアーチは16.23フィート(約5.0メートル)にまで到達。また、シュートはリングに対して45度の角度で吸い込まれていくのが理想的なアングルという数学的データが存在し、カリーのショットは46度でリングに届いているという。
その他では、ガード不可能なショットと形容されるケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)は、かなり高い位置からショットを放っており、ラッセル・ウェストブルック(ロケッツ)は、特徴的な直線状のワインドアップがデータにも反映されている。
一方、下のチャートは、選手の頭上からボールの軌道を見たものである。
全選手、S字のカーブを描いているが、そのバリエーションはかなり多様。しかし、ここでもカリーの無駄のなさが際立っており、カリーがいかに洗練されたシューターであるかがお分かりいただけたのではないだろうか。
また、動きの無駄という観点では、カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)も非常にミニマルなシュートを放っている模様。だが、ブオイ曰く、頭上から見たチャートでは、レブロン・ジェームズ(レイカーズ)のデータが最も完璧なループを描いているという。
文=Meiji
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