2020.12.14
ロサンゼルス・レイカーズの優勝で幕を閉じた2019ー20シーズン。NBAファイナルは、リーグ屈指の選手層を誇る最強集団レイカーズに、ダークホースとしてイースタン・カンファレンスを勝ち上がったマイアミ・ヒートが挑むという構図となった。
ヒートは不幸にも、初戦でゴラン・ドラギッチとバム・アデバヨを怪我で失う苦しい出だしに。しかし、満身創痍のなかで優勝候補から2ゲームをもぎ取ったチーム力は、大きな賞賛に値する。一方、レイカーズはリーグ屈指の選手層でプレーオフを難なくと勝ち切ってみせた。特に、35歳にしてファイナルMVPを獲得したレブロン・ジェームズの成熟度、そして、キングの歴代最高パートナーとまで言わしめたアンソニー・デイビスの性能の高さは、まさにチャンピオンチームにふさわしいものだったように思える。
試合の総括はさておき、NBAファイナルでは毎年、選手たちの“足元”にも大きな注目が集まる。最高の舞台ということもあり、選手たちが最高のバスケットシューズを履いて、試合に臨むからだ。
そこで本稿では、NBAファイナルをシューズ目線からプレイバックし、選手たちが着用したバスケットシューズ BEST 5を独断と偏見でご紹介していきたい。
今回のNBAファイナルにおいて、スニーカーのMVPを選出するのであれば、筆者はデイビスをピックアップしたい。全試合で亡きコービーのシグネチャー『コービー 5』を履き続け、9月下旬の発売が未だ記憶に新しい“5 リングス”や、ジョーダンシリーズの代名詞である初見のレッド/ホワイト/ブラックなど、ナイスなキックスを多数披露してくれた。
とりわけ、シューズ全体をゴールドで覆ったカスタムモデルは、彼のプレーと同じく、コート上で存在感抜群だった。このシューズは、ナイキから提供されたPEではなく、スニーカーカスタムのパイオニア、THE SHOESURGEON(シューサージョン)がカスタムしたモデル。まさに、チャンピオンが履くべき一足であろう。
ゲーム1にドワイト・ハワードとの接触で、肩と首を負傷したアデバヨ。しかし、ゲーム5で復帰するまでの3試合も、同選手はヒートのスクワッドと共に闘い続けた。
そのアデバヨがゲーム3で着用していた『ナイキ ズーム フリーク 2』は、ヒートお馴染みのマイアミ・バイスカラーでラッピング。また、シューズの内側には彼が幼い頃に暮らしていたトレーラーハウスと、ドラフト指名時に母と交わしたハグのペインティングが施されている。
今季はじめに、プーマと5年間の大型契約を締結したクーズマ。彼がゲーム1で着用した『RS-DREAMER』は、NBA参戦を本気で検討するほどの実力者であるラッパーのJ・コールがプロデュースしたモデルで、こちらはアクションゲームの金字塔『スーパーマリオ64』をモチーフにしている。
セカンドユニットとして優勝に貢献したクーズマだが、3番手のスコアラーという期待の大きさとは裏腹に、プレーオフでは130分で51得点、ショット成功率35.4パーセントに止まった。来季はマリオのようなビッグジャンプを遂げて、一皮剥けた姿に期待したい。
ベテラン司令塔のロンドは、NBA史上2人目となる、レイカーズとボストン・セルティックスの両球団で優勝を経験した選手となった。試合を読む洞察力は未だ錆びれることはなく、アシスト33本はレブロンに次いでチーム2位。また、苦手とされていた3ポイントも随所で成功させ、得点源としても存在を示した。
そんなロンドは、プレーオフで様々なモデルを着用していた。なかでも印象的だったのが、レイカーズカラーを纏った『リーボック クエスチョン』。実はこのカラー、コービー・ブライアントがシューズ契約のフリーエージェントだった2002-03年シーズンに着用したことで知られ、当時は一般販売がなかった。しかし、リーボックはコービーへ追悼の意を込め、11月28日(水)にリリースを予告している(※国内展開は現状不明)。かつてコービーが着用したモデルをロンドが履いて優勝とは、何とも感慨深いストーリーである。
4度目のファイナルMVPに輝いたレブロン。6試合合計179得点、51アシスト、フィールド成功率は驚異の51.9パーセントと、まだまだキングの座を譲す気はさらさらなさそうだ。
そのレブロンは、ゲーム3とゲーム6において、シグネチャーシリーズ最新モデルとなる『レブロン 18 “メロン ティント”』を着用。ゲーム3では、シューズに家族の名前や「WE WANT JUSTICE」のスローガンなどをハンドペイントで施していた。その名のとおり、メロンカラーの単色仕上げを行った本作は、まもなく海外でリリース予定。日本でも『SNKRS』での販売などが期待されるので、レブロンファンはくれぐれもチャンピオンシューズのお買い逃しがないように。
文=Meiji
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