2021.12.24
11月11日(現地時間10日、日付は以下同)に行なわれたワシントン・ウィザーズとクリーブランド・キャバリアーズによる一戦は、ウィザーズが97-94で制して3連勝を飾った。
だがエースのブラッドリー・ビールはジャンパーやレイアップがなかなか決まらず、第3クォーター残り4分22秒にジャンパーが決まるまで、実に10本連続でフィールドゴールをミス。
試合全体でもフィールドゴール成功率21.1パーセント(4/19)、3ポイント成功率20.0パーセント(1/5)と不発で、今季最少の13得点に終わった。
それは10日に祖母が他界したことが大きかった。「チームメートたちに感謝している。彼らがこの試合に勝たせてくれたんだ。僕はただコートにいただけだった。これまで、僕は親しい人を失ったことがなかったんだ。だから何をすればいいのか、誰のところへ行けばいいのか分からなかった。おばあちゃんは、僕にとって母さんの進化版だったから」とビールは試合後に口にしていた。
精神的に辛い状況の中、ビールはキャブズ戦に出場することを決断。「僕がバスケットボールをしているのを彼女は観ていた。彼女は僕のことを観ているはずだ。彼女は僕の試合を見に来てくれた。でもこれからはそうはならない。そのことが辛い」と試合後に漏らすも、ビールは最後まで戦い抜いた。
この試合、ウィザーズは第4クォーター残り6分4秒の時点で9点ビハインドを背負うという苦しい展開。だがそこからカイル・クーズマが3ポイントを4本もねじ込む活躍で見事勝利。
シュートタッチに苦しんだビールだったが、この試合で7リバウンドに加えてゲームハイの7アシストを記録している。そのうち2本は4点ビハインドで迎えた残り26.0秒、そして2点ビハインドで迎えた残り11.4秒にクーズマの決勝弾となるコーナースリーを演出したものだった。
おはようございます☀ 本日は休養日ということで昨日クーズマ選手が第4Qに決めた4本のスリーをプレイバック🎥#ウィザーズ|@kylekuzma pic.twitter.com/3g318ue7PN
— ワシントン ウィザーズ (@washwizardsjp) November 12, 2021
「コーナーのクーズへパスした時、あのプレーの中に彼女がいたんだと分かったよ。そこで僕は言ったんだ。『このプレーに手を出してよ。ここにいるんなら教えて。観ているなら教えてくれよ』とね。そこで僕は彼女がいるんだと分かったんだ」。
ビールはインバウンズパスを受けて右サイドをドライブし、3人のディフェンダーを引き連れて左コーナーにいたクーズマへキックアウト。この長距離砲が見事に決まり、ウィザーズは逆転となっただけに、この試合で一番のビッグプレーと言っていいだろう。
祖母との別れに直面するなかで迎えたキャブズ戦で、最後まで戦い抜いてウィザーズの勝利を演出したビール。天国、いや会場で自慢の孫を見守っていた祖母にとっても、うれしかったに違いない。
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