2022.05.20
4月11日(現地時間10日、日付は以下同)。ワシントン・ウィザーズの八村塁はシャーロット・ホーネッツとのレギュラーシーズン最終戦でチームトップの21得点に4リバウンド2アシスト1スティールを残してNBAキャリア3シーズン目を終えた。
「僕としても、アグレッシブに行こうと思っていたので、自分ではいい仕事ができたんじゃないかなと。でもチームが負けてしまったので、なんとも言えないです」。
八村が試合後にそう語ったとおり、ウィザーズは108-124でホーネッツに敗戦。チームは序盤戦こそイースタン・カンファレンス首位に立つも、そこから順位は落ちていき、1日を終えた時点でプレーイン・トーナメント進出への道が消滅し、イースト12位の35勝47敗で今季を終えた。
今季のウィザーズはウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチ(HC)を新たな指揮官に据えて臨んだものの、開幕前に東京オリンピックの日本代表活動に参加した八村は個人的事情によりトレーニングキャンプへ参加できず、プレシーズンゲーム期間にワシントンD.C.へ降り立つも、そこからコンディショニングや新チームのプレーブックを学ぶなど合流が遅れ、1月10日のオーランド・マジック戦で今季初出場。
チームにはカイル・クーズマがいたため、ベンチスタートでプレーし、5戦目で今季初の2ケタ得点。そこからさらに調子を上げていき、2月18日のブルックリン・ネッツ戦で20得点をマーク。「僕としては自信が増しました。今までよりも自信をもってスリーを打っています」という本人の言葉どおり、一時は成功率が50パーセント超えを記録するなど慎重に3ポイントを繰り出し、高確率で沈めていった。
ウィザーズは3月中旬にクーズマがケガのため離脱すると、八村を先発起用。シーズン最後の13試合でスターターを務めた日本人フォワードは、ラスト8試合のうち今季最多となる21得点を5度も記録。
シーズン全体では42試合に出場して平均22.5分11.3得点3.8リバウンド1.1アシスト。フィールドゴール成功率49.1パーセントに加えて、3ポイントは試投数(平均2.9本)と成功数(同1.3本)、成功率(44.7パーセント)でいずれも自己最高を更新。先発出場試合では平均28.6分14.2得点5.1リバウンド1.5アシストと、上々のパフォーマンスを見せていた。
キャリア3年目を終えた八村は「シーズン途中から入ったんですけど、まずはコーチ陣、チームメート、スタッフの皆さんに感謝してますし、そういう中で僕も3年目として3ポイントの確率を上げれたので、次の自分のゲームにステップできたんじゃないかなと思います」とシーズン終了後にコメント。
昨季のウィザーズは終盤もプレーイン進出争いの渦中におり、最終的にプレーオフへ進出。だが今季は残り数試合の時点でポストシーズンへの道が途切れたことで「自分としても負けるのが好きではないので、チームを勝たせようという気持ちでやったんですけど、なかなかいい結果にならなかったんです。何回かはいい試合で勝ったんですけど、プレーオフには行けなくなっていたんですけど、自分たちで勝つことが大事ということをしっかりやっていかないといけないなと思ってやってました」と、昨季とは異なる状況で奮戦していた。
そんな八村の今シーズンについて、指揮官はこう評している。
「彼にとってすばらしいシーズンだった。出遅れたので短めなシーズンではあったが、チームに合流した時から全開だった。コンディションも万全だった。合流前の個人練習でしっかり取り組んでいたのが分かる。今季はスリーを向上させて引き出しを増やした。その要素は大きい。そしてここ1か月、1か月半はすごく自信をもってプレーしていた。『ポイント5メンタリティ』(0.5秒以内でシュート、ドライブ、パスの判断を下すこと)でプレーした。すばやく判断して、積極的にプレーした。これは大きな収穫だ。今季は彼にとって貴重な経験だったと思う。来季は彼のフルシーズンの活躍を楽しみにしている。これからが楽しみだ」。
今夏、八村は日本代表としての活動はせず、「自分の身体をテイクケアすること。それを一番大事にしていきたいと思います」と口にしており、来季に向けてすでにコーチとは「(僕のオフの課題点の)ディフェンスについて話し合いました。相手のシューターをいかに止めるか、オフボール ディフェンスをどうやって向上させるかなど、もっと映像を観て相手選手を研究すればその部分が向上すると思います」と話していた。
ウィザーズは9月30日と10月2日にさいたまスーパーアリーナでゴールデンステイト・ウォリアーズとのジャパンゲームズが組まれている。キャリア4シーズン目を迎える八村が躍動するまで約5か月あるものの、その瞬間を楽しみに待ちたいところだ。
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