2022.09.20
「THE CHOSEN ONE」。これは、セント・ビンセント=セント・メアリー高校に在籍していたレブロン・ジェームズが、米スポーツ誌の権威『Sports Illustrated』の表紙を飾った際に贈られた彼の二つ名だ。
アクロンが生んだ奇跡は高校時代と同様に、世界最高峰のバスケットボールリーグでも所属球団に数々の栄光をもたらし、二つ名に恥じない活躍を続けている。
あれから20年、レブロンが再び『Sports Illustrated』に帰ってきた。ただし、当時と異なるのはその脇に彼がバスケットボールよりも愛する2人の息子がいることだ。
長男ブロニーと次男ブライスは父親の存在により、全米で最も有名な少年だ。しかし、意外にもブロニーにとっては初の本格的な座談会、ブライスに至っては初めてのインタビューだという。
同誌によると2人はとても礼儀正しい一方、緊張からか質問によっては唇をすぼめたり、父や兄弟に視線を送り、母サバンナについて問われた際には「うーん……」と深く考え込んでしまうこともあったといい、父親から「お前ら、ママが怖いのか?」と笑顔で突っ込まれた。
もちろん、ジェームズ家の大黒柱としてこの場は父親がリード。息子、家族、バスケットボールと様々な質問が飛び交う中、取材陣が最も聞き耳を立てたのは今後のキャリアと息子たちとの共演にまつわるコメントだった。
レブロンはこれまで、数々のタイトルをほしいがままにしてきた。だが、現在は偉大な選手ではなく1人の父親として、NBAの舞台で息子と共演することを夢見ている。
この目標はすでに周知の事実として各所で取り上げられているが、これまで共演の可能性が語られてきたのは、長男のブロニーのみ。しかし、もう1人の息子であるブライスとともにプロのコートに立つことまで視野に入れているようだ。
「隠すことはない、俺はどの球団が(ブロニーにプロ入りの可能性がある)2024年と2025年のドラフト1巡目指名権を持っているかを追いかけている。(ブライスがプロになれる)2026年と2027年についてもだ。俺はそれらを注意深く見守っている」
当人も将来についてはどこか楽観的。自身の今後について、笑みを浮かべながらこう語った。
「俺は結構長くプレーできそうな気がしている。もちろん身体のコンディションもあるが、もっと重要なのは俺の心だ。もし、俺の心がシャープでフレッシュであり、モチベーションを保ち続けられれば、俺に限界はない。その上をいくことができるだろう。まあ、今にわかるよ」
一方で、父が目標を公言することは、息子たちにとっても大きなプレッシャーのように思える。だが、ブロニーとブライスの両親は、自分の道を進み、自分らしくいることの重要性を絶えず説いてきた。
「俺はいつも、息子たちが“バスケットボールを愛しているかどうか”だけを見極めさせてきた。なぜなら、結局のところ親がやっているという理由でやっていても、何も実を結ばないからだ。その程度なら何も残らないからね」
ジェームズ家の一員は、それぞれどのような将来を歩むのか。ひとつ確かなことは、彼らの一人一人が家族を含む他人ではなく、自分に正直な場所にいるということだろう。
文=Meiji
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