2023.08.14

殿堂入りしたパウ・ガソル「コービーがいなければ、この場に立てなかったでしょう」

殿堂入り式典へ出席したガソル[写真]=Getty Images
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ヨーロッパ出身として快挙を成し遂げたガソル、ノビツキー、パーカーがそろって殿堂入り

 8月13日(現地時間12日、日付は以下同)。マサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで、今年のバスケットボール殿堂入り式典が開催され、計11人と1チームが殿堂入りを飾った。

 今年はマイアミ・ヒートで3度の優勝すべてに主軸として貢献したドウェイン・ウェイド(元ヒートほか)、サンアントニオ・スパーズで5度の優勝を達成し、レギュラーシーズン通算1366勝でNBA歴代トップを誇るグレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)が殿堂入り。

 そして2000年代以降のNBAで外国籍出身選手として活躍を続けたヨーロッパ出身のレジェンドがそろって選ばれた。ダラス・マーベリックス一筋21シーズンをプレーしたダーク・ノビツキー(ドイツ出身)、スパーズで計4度の優勝を経験したトニー・パーカー(フランス出身)、スペインの至宝として国際大会とNBAの両方で活躍してきたパウ・ガソル(元ロサンゼルス・レイカーズほか)の3選手だ。

 2001-02シーズンにガソルが新人王、2006-07シーズンにノビツキーがMVP、2007年のNBAファイナルでパーカーがファイナルMVPを獲得。この3選手は、いずれもヨーロッパ出身選手として初の快挙を成し遂げた。

 スペインのバルセロナで生まれたガソルは「初めて海をわたってチャンスをつかんだヨーロッパ出身選手たちについて触れたい」と、自身がNBA入りする前にヨーロッパからアメリカへわたり、NBAで活躍してきた選手たちへの感謝を口にし、自身が絶大な影響を受けた1992年のバルセロナ・オリンピックで世界中を魅了したドリームチームについても式典のスピーチで話していた。

「私は12歳でした。あれが私の人生を変えたんです。ドリームチームは、自分たちへバスケットボールをプレーできるかもしれないと示してくれたのです」

 ガソルはスペイン代表の主軸として長年プレーしてきたレジェンドで、NBAでも18シーズンでオールスターに6度、オールNBAチームに4度選ばれ、レギュラーシーズン通算1226試合で平均17.0得点9.2リバウンド3.2アシスト1.6ブロックにフィールドゴール成功率50.7パーセントをマーク。

 メンフィス・グリズリーズ、レイカーズ、シカゴ・ブルズ、スパーズ、ミルウォーキー・バックスでプレーしてきた213センチ113キロの万能型ビッグマンは、裏地にキャリアを象徴するシーンの数々が散りばめられた“特別仕様”のジャケットで登壇。

レイカーズで2度の優勝を達成したコービー(左)とガソル(右)[写真]=Getty Images

 家族やこれまでに尽力してくれた人たちへ感謝を述べつつ、ガソルはレイカーズで2度の優勝(2009、2010年)をともに勝ち取った相棒コービー・ブライアント(元レイカーズ)への思いも口にしていた。

「あなたがいなかったら、私はこの場に立つことができなかったでしょう。何よりも、あなたとジジ(コービーの次女ジアナ)が私たちと一緒に今日ここにいてくれたらと願っています。あなたがいなくて寂しい。愛しています」

 歴代屈指のスコアラーとして鳴らしたコービーと、得点・リバウンド・アシストと3拍子そろったガソルは、2008年2月にレイカーズでチームメートとなり、2008年から2010年にかけて3年連続でウェスタン・カンファレンスを制覇。

 名将フィル・ジャクソンHCの下、レイカーズは両選手を軸とした布陣で2009、2010年に2連覇を達成。ガソルはコービー、レイカーズのシステムに見事フィットし、攻防両面で重要な働きを見せた。

 2020年1月27日にヘリコプター墜落事故によって早すぎる別れとなったコービーとジジ。レイカーズで背番号16が永久欠番となり、殿堂入りを果たしたガソルへ、きっとコービーとジジは天国から大きな拍手を送っていたことだろう。

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