2023.08.31

完全復活に自信を見せるベン・シモンズ「昨季と同じ選手としてコートへ戻るつもりはない」

今季開幕に向けて順調な仕上がりを見せているシモンズ[写真]=Getty Images
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来夏のオリンピックでは「是非ともプレーしたい」

 8月30日(現地時間29日、日付は以下同)。ブルックリン・ネッツベン・シモンズのインタビュー記事が『ESPN』の「Andscape」へ公開された。

 2シーズンぶりのNBA復帰となった昨シーズン。シモンズは42試合に出場して平均26.3分6.9得点6.3リバウンド6.1アシスト1.3スティールにフィールドゴール成功率56.6パーセントをマーク。

 昨年11月下旬には2試合で20得点以上、今年1月には3試合で2ケタのアシストを残す活躍を見せたのだが、オールスターブレイク後は背中のケガとそのリハビリのため全休。

 6月30日にはケガから回復することにフォーカスするとし、オーストラリア代表の一員として「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」へ出場しないことが発表されていた。

 コンディショニングの回復に努めたこともあり、今のシモンズは「100パーセントだと感じている。今はただ、自分がこれまでにプレーしていた状態へ戻るべくトレーニングを積んでいる。しばらくプレーできていなかったからね。自分の体を以前の状態へ戻そうとしている」と自信をのぞかせていた。

 208センチ108キロでポイントガード(PG)を務めることも可能な27歳は、アウトサイド、特に3ポイントシュートやフリースローこそ苦手としてきたものの、ビッグマンにも当たり負けしない屈強な肉体と高い身体能力を兼備しており、ドライブから強烈なダンクをお見舞いしたり、頭越しや肩越しなど華麗なアシストでチームメートたちの得点機会を演出してきた実績を持つ。

シモンズは自慢のサイズを生かしたプレーで相手を圧倒できるか?[写真]=Getty Images

「誰がどう言ってこようと、僕はオールスターに3度、オールNBAチームにも、(オール)ディフェンシブチームにだって選ばれてきた」

 シモンズがそう話したとおり、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ在籍時には超大型PGとして新人王にオールスター、オールNBAチーム、オールディフェンシブチームに選ばれてきた。さらに、2020-21シーズンには最優秀守備選手賞の投票で2位に入っており、コート上にいる全ポジションの選手をガード可能なディフェンス力も備わっている。

 今シーズン開幕に向けて、順調な仕上がりに手応えを感じているシモンズは「僕としては、(コートへ)戻って支配できれば最高だろうね」と切り出し、こう続けていた。

「前回(昨シーズン)と同じ選手としてコートへ戻るつもりはない。今の僕はそれとは全然違うからね。楽しみにしているよ。もちろん、昨年の自分がどんな状態だったかは分かっている。けど自分が大好きなことができるのは楽しみでしかないね」

 10月26日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で今シーズン開幕を迎えるネッツは、現時点ではスペンサー・ディンウィディーミケル・ブリッジズキャメロン・ジョンソンドリアン・フィニー・スミスニコラス・クラクストンが予想先発陣で、シモンズはフロントコートのバックアップという立ち位置ながら、この男が長丁場のシーズンを通してオールラウンドなパフォーマンスを見せることができれば、ネッツとしても頼もしい限りだ。

 なお、オーストラリア代表はワールドカップでグループフェーズのファーストラウンドを突破し、9月1日から準々決勝進出をかけたセカンドラウンドへ臨む。ニュージーランド代表が30日のギリシャ代表戦を落としたことで順位決定戦へ進むため、早くも「2024年パリオリンピック」への出場が決定。

 シモンズは2012年に「FIBA U17ワールドカップ」へ出場して銀メダルを手にしたものの、プロ入り後に主要国際大会へ出場できていない。来年のオリンピックについては「100パーセント、(出場することを)考えているよ。来年、僕がやりたいことなんだ」と口にし、「是非ともプレーしたい」と話していた。

 現有戦力で優勝候補として臨んでいる“ブーマーズ”に、シモンズという高さと長さ、身体能力を兼備した男が加われば、オーストラリアはさらに恐ろしいチームと化すに違いない。

 完全復活を期す男がネッツでフルシーズンを戦い抜き、来年夏には“グリーン&ゴールド”のユニフォームを身にまとってオリンピックデビューを飾ることができるか、今から楽しみに待ちたいところだ。

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