2024.08.12
7月27日から8月10日にかけて開催される「パリ2024オリンピック競技大会」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。
文=秋山裕之
1998年7月12日。カナダのオンタリオ州トロントで生まれた男は、同州西部にあるハミルトンで育った。母シャーメイン・ギルジャスは、カリブ海に浮かぶ島国アンティグア・バーブーダ代表の陸上競技選手として1992年バルセロナ・オリンピックに出場した実績を持ち、父ボーン・アレクサンダーが幼い頃にギルジャス・アレクサンダーのコーチを務めた。
高校最初の2年間はハミルトン(2校)、3、4年次にはアメリカのテネシー州チャタヌーガにあるハミルトンハイツ・クリスチャンアカデミー高へ転校してスキルアップに励んだ。その後ケンタッキー大学へ進学し、1年次の2017-18シーズンに平均14.4得点4.1リバウンド5.1アシスト1.6スティールをマークすると、2018年のNBAドラフトへアーリーエントリー。
同年のドラフト1巡目11位でシャーロット・ホーネッツから指名されたコンボガードは、ドラフト当日のトレードでロサンゼルス・クリッパーズへ移籍してNBAデビュー。2018-19シーズンに82試合へフル出場し、平均10.8得点2.8リバウンド3.3アシスト1.2スティールを残してオールルーキーセカンドチームに選ばれた。
その後サンダーでトップスコアラーとしての地位を確立し、2022-23シーズンは平均31.4得点4.8リバウンド5.5アシスト1.6スティール、翌2023-24シーズンには同30.1得点5.5リバウンド6.2アシスト2.0スティールを残し、リーグトップレベルの選手へと成長していった。
現在は2シーズン連続でオールスターとオールNBAファーストチームに選ばれ、昨シーズンはMVP投票で2位のポイントを獲得し、チームはウェスタン・カンファレンス首位の57勝25敗で4年ぶりのプレーオフ出場を飾っている。
198センチ81キロのガードは、スムースなボールハンドリングと緩急自在のドライブでスルスルとペイントエリアへ侵入し、鮮やかなスピンムーブや軽快なフットワークを駆使して点を重ねていく。ドライブからレッグスルーやビハインド・ザ・バックのクロスオーバードリブルで相手を交わして高精度なミッドレンジジャンパーを仕留めることも可能で、ビッグマン相手でも巧みなフェイクやタイミングをずらして翻弄してしまう。
それは国際大会でも同様で、カナダのシニア代表デビューを飾った昨年の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」では同国を初の銅メダルへ導き、大会平均24.5得点6.4リバウンド6.4アシスト1.6スティールを残してオールスター5(ベスト5)に名を連ねた。
W杯で3位に入ったカナダ代表(FIBAランキング7位)は、2000年のシドニー大会以来初のオリンピック出場も決定。パリ五輪ではスペイン代表(同2位)、オーストラリア代表(同5位)、ギリシャ代表(同14位)とグループAで競い合っていく。
7月11日(現地時間10日、日付は以下同)に行われたアメリカ代表とのエキシビジョンゲームを72-86で落としたカナダだが、20日にフランス代表戦、22日にはプエルトリコ代表戦が組まれており、残り約2週間で仕上げてくることが予想されている。
カナダ代表が唯一オリンピックでメダルを獲得したのは1936年のベルリン大会の銀メダル。昨年のW杯メンバーが複数残るロスターにジャマール・マレー(デンバー・ナゲッツ)を含む現役NBA選手たちを加えたカナダは、この男を中心とした布陣で虎視眈々とメダル獲得を狙っている。
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