2024.08.06
7月27日から8月10日にかけて開催される「パリ2024オリンピック競技大会」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。
文=秋山裕之
1993年9月15日。ドイツのブラウンシュバイクで生まれた男は、2010年にドイツでプロバスケットボールキャリアを始動。ブラウンシュバイクで腕を磨き、2013年のドラフト1巡目17位でアトランタ・ホークスから指名されてNBA入りを果たした。
シュルーダーはホークス在籍4年目の2016-17シーズンから先発ポイントガード(PG)へ定着。その後オクラホマシティ・サンダー、ロサンゼルス・レイカーズ、ボストン・セルティックス、ヒューストン・ロケッツに所属し、2022-23シーズンは再びレイカーズでプレーした。
2023-24シーズンはトロント・ラプターズで開幕を迎え、先発PGを託されるも、年明けからベンチスタートが中心となり、2月9日(現地時間8日、日付は以下同)のトレードでブルックリン・ネッツへ移籍。2チームで計80試合へ出場し、平均31.1分14.0得点3.0リバウンド6.1アシストを残してNBAキャリア11年目を終えた。
ネッツ加入後の29試合では主に先発を務め、平均14.6得点3.5リバウンド6.0アシストに3ポイントシュート成功率41.2パーセント(平均2.1本成功)を残した30歳のベテランは、今シーズンで契約最終年を迎える。
185センチ78キロのPGは、2011、2012年にドイツ代表のジュニアチームで「ユーロチャンピオンシップA」へ出場し、2014年の「FIBAユーロバスケット」予選でシニア代表チームデビュー。
これまでユーロバスケットへ3度、「FIBAバスケットボールワールドカップ」へ2度出場。2022年のユーロバスケットで銅メダル、2023年のW杯では8戦無敗をマークし、ドイツを初の金メダルへ導く殊勲者となり、大会MVPとオールスター5(大会ベスト5)に選ばれた。
自慢のスピードをコントロールして相手を出し抜く変化自在のドライブからレイアップやアシストを繰り出し、ミッドレンジや3ポイントでも点を取ることができる。アグレッシブな姿勢を前面に出した“攻撃的なディフェンス”でもマッチアップ相手にプレッシャーを与えている。
今年3月。W杯王者として迎えるパリオリンピックに向けて、ドイツ代表のリーダー格シュルーダーは『BASKET EUROPE』へこう口にしていた。
「自分がプレーするすべての試合で勝ちたい。当然、バスケットボールではどんなことだって起こり得ることは分かっている。でも僕らが40分間ですべてを出し切って、自分たちのプレーをしている限り、どこが相手だろうと倒せる」
試合後、そのショットに好感触を得たシュルーダーは、自身のインスタグラム アカウントで「DS17と呼んでくれ。DはDagger(相手を仕留めるショット)なのさ」と投稿。今後ドイツは20日に日本代表、23日にアメリカ代表とのエキシビションマッチをこなし、昨年のW杯と同様に大会初戦で日本と激突する。
12日に『FIBA』へ公開されたオリンピック出場国のパワーランキングで、ドイツは大会5連覇を目指すアメリカに次いで堂々2位。ユーロバスケット、W杯に続いて、ドイツが五輪でもメダルを獲得できるかは、シュルーダーの活躍にかかっている。
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