2024.09.28
9月26日。デリック・ローズがNBAキャリア15シーズンに終止符を打ち、引退することをソーシャルメディアで発表。ローズはバスケットボールを“初恋”となぞらえてこのように感謝していた。
「ありがとう…君は良い時も悪い時も僕を信じてくれたし、すべてにおいて確信を持てなかった時には支えになってくれた。本物の愛とはどういうものなのかを教えてくれた。君がコートを自由に表現できる聖域、ホームへと変えてくれたんだ。一緒に過ごした早朝と深夜に、汗をかいて努力する価値があるんだと教えてくれた」
「これから僕がどんな人生を送ろうと、君は僕の一部なんだと安心させてくれたし、もう『さようなら』を言っていいと教えてくれた。僕はずっと君のものだ」
The kid from Englewood turned into a Chicago legend. pic.twitter.com/7242npXkRU
— Chicago Bulls (@chicagobulls) September 26, 2024
するとローズは、これまでに所属してきたシカゴ・ブルズ、ニューヨーク・ニックス、クリーブランド・キャバリアーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、デトロイト・ピストンズ、メンフィス・グリズリーズの地元紙へ一面広告を掲載し、ファンへ感謝を伝えている。
イリノイ州シカゴで生まれ育ったローズは、2008年のドラフト全体1位でブルズから指名され、2008-09シーズンに新人王、翌2009-10シーズンにオールスターへ初選出。
キャリア3年目の2010-11シーズンにはブルズをリーグベストの62勝20敗へ導く殊勲者となり、平均25.0得点4.1リバウンド7.7アシストを残してオールスターとオールNBAファーストチーム入りし、史上最年少の22歳でMVPに輝いた。
ローズは驚異的なクイックネスと爆発的な跳躍力、スムースなボールハンドリングを駆使したドライブで相手守備陣を強行突破し、リムアタックから強烈なダンクをいくつも炸裂させつつ、味方の得点機会も演出。
ところが、2012年のプレーオフ ファーストラウンド初戦で左ヒザ前十字靭帯を断裂したことで2012-13シーズンを全休。復帰後も右ヒザの半月板断裂や足首負傷など、相次ぐケガに悩まされてきた。
その後ニックス、キャバリアーズ、ウルブズ、ピストンズ、再びニックスへ加入し、昨シーズンは大学時代を過ごしたテネシー州メンフィスを本拠地に置くグリズリーズへ移籍してプレーするも、ケガもあって24試合のみの出場に終わり、24日(現地時間23日、日付は以下同)に自ら志願してウェイブ(保有権放棄)されていた。
レギュラーシーズン通算723試合で、ローズはキャリア平均30.5分17.4得点3.2リバウンド5.2アシストを記録。度重なるケガで爆発的な身体能力こそ失ったものの、ウルブズ時代の2018年11月1日のユタ・ジャズ戦でキャリアハイの50得点を奪うなど技巧派選手へ転身して活躍。
キャリア15シーズンで、ローズはリーグを代表するスーパースターとして脚光を浴びてきただけでなく、大ケガから立ち直るまでの苦闘や復活を遂げた瞬間、ロールプレーヤー、メンターとして所属チームや若手をサポートするなど、バスケットボールにおけるさまざまな一面を見せてきた。
そう思うと、彼ほどファンやバスケットボール選手たちや関係者の心を揺さぶった、あるいは感情を突き動かした選手はそう多くないのではないだろうか。ローズが“初恋”と評したバスケットボールに対して見せてきた献身には最大級の拍手を送り、これまでのキャリアに対して「お疲れさまでした。そしてありがとう」と伝えたい。
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