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ブルズが引退発表のデリック・ローズに惜別の言葉「シカゴにおける彼の功績は計り知れない」

2008年のドラフト1位指名から8シーズンにわたってブルズに在籍したローズ [写真]=Getty Images

 デリック・ローズの引退表明には、多くの人が心を打たれたことだろう。

 Instagramへの意味深な投稿からまもなく、過去に所属した球団が本拠地を置くエリアの地元紙に広告を掲載。そこには“初恋”であるバスケットボールへの思いが寄せられ、「これから僕がどんな人生を送ろうと、君は僕の一部だ。もう『さようなら』と言っていいんだね。僕はずっと君のものだよ」と現役生活へ別れを告げた。

 2008年、シカゴ・ブルズからドラフト1位指名を受け、メンフィス大学より地元に帰還したローズは、初年度からエース格としてチームをけん引し、マイケル・ジョーダン(ブルズほか)氏以来の象徴としてコートで躍動した。ブルズにとって、ローズは今なおアイコニックな存在であり、球団も最年少MVPの突然の発表に伴い、ユナイテッド・センターのエントランスに一輪の薔薇を添えて、トリビュートを示した。

 ブルズはSNSでの発信にとどまらず、球団の公式サイトでも首脳陣のメッセージを公開。1984年より球団のオーナーを務めるジェリー・ラインズドルフ氏は、ドラフト時の記憶を振り返り、ローズがブルズにとっていかに特別な存在であるかを伝えた。

「2008年にデリックをドラフトしたのは、ブルズという組織のみならず、シカゴ出身の少年が故郷のチームでプレーするという夢を実現した特別な瞬間でした。デリックは選手としても人間としても、この街の情熱、立ち直る力、そして心を体現しています。彼は私が今まで出会ったなかで最もタフで、最も意志の強いアスリートの1人であり、ほとんどの人が挫折するような逆境を常に乗り越えてきました。シカゴ・パブリック・リーグのスターがブルズでNBA史上最年少MVPに成長する姿を見るのは、とても名誉なことでした。デリックがコートに立つたびに、我々には勝利のチャンスがあると感じました。彼のMVPシーズンは、このフランチャイズの伝統ある歴史の中で最も誇らしい瞬間のひとつです。デリックの引退が素晴らしいものになることを祈っています。彼が家族と次のチャプターを楽しむことを願っています。彼はこれからもずっとブルズファミリーの一員であり、再びユナイテッド・センターに舞い戻り、ファンとともに彼の素晴らしい旅路を祝福できる日を楽しみにしています」

キャリア3シーズン目に史上最年少でMVPを受賞 [写真]=Getty Images

 また、球団社長を務めるマイケル・ラインズドルフ氏もオーナーのキャリアに手放しの賛辞を贈った。とりわけ、偉大な選手であることはもちろん、ローズの父親としての姿にも感銘を受けたことにも言及た。

デリック・ローズはいつまでもシカゴ・ブルズの一員です。デリックは初日から、最も大きな場面で謙虚さを、最も困難な瞬間に粘り強さを体現していました。彼は一世一代の才能であり、リーグを席巻し、新人王とNBA史上最年少MVPに輝きました。若くして彼が残した影響は本当に驚くべきものです。シカゴにおける彼の功績は計り知れません。彼はこのフランチャイズを再び優勝争いに押し上げ、MVPを獲得し、そして何よりも彼を永遠の仲間として街が受け入れるためのインスピレーションとなりました。コート外では、デリックが一人の男性として、特に父親として成長していく姿を見守ることができたことを光栄に思います。彼が父親になることを受け入れていく姿を見るのは、特別なことでした。そして、引退後の彼の旅路はエキサイティングなものになることでしょう。デリックはいつまでも家族であり、彼と彼の子どもたちがユナイテッド・センターに戻ってくる日を心待ちにしています。彼の素晴らしい旅路を讃え、忘れられないセレモニーとなることは間違いありません」

 2人の首脳陣が語るとおり、ローズのユナイテッド・センター帰還は、NBAの歴史に刻まれる瞬間となるだろう。アリーナがシカゴの深き愛と真っ赤な薔薇で埋め尽くされる日は、きっとそう遠くはないはずだ。

文=Meiji

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