2023.06.25
デリック・ローズ(ニューヨーク・ニックス)は、キャリアに終止符を打ちかねない大ケガがなければ、今頃どれだけのスター選手になっていただろうか。
ケガを繰り返してチームを転々としたが、最年少MVPという快挙と全盛期の爆発力はファンの記憶から薄れることはない。12月17日(現地時間16日)、シカゴ・ブルズのホーム「ユナイテッド・センター」に帰還し、第4クォーターにコートに立つと、ファン総立ちのスタンディングオベーションとMVPチャントを受け取った。
Derrick Rose gets a standing ovation & MVP chants as he checks into the game in the 4th quarter.
He then hits a 3 on his first shot attempt 🌹pic.twitter.com/j8UALCiG9F
— Ballislife.com (@Ballislife) December 17, 2022
現在は恩師トム・シボドー率いるニックスにおいてベテランリーダーを担い、若手中心のチームに経験と落ち着きを与えている。プレータイムは1試合平均12.9分と、お世辞にも長いとは言えない。それでもローズは「僕はまだここ(リーグ)にいる。資格を得るためではなく、勝利するためにここにいて、若手を助けたい」と、置かれた状況に冷静だ。
『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者がキャリア晩年を迎えたローズにインタビューを実施。現在の役割や引退後のキャリアについて話を聞いている。
最初の質問は、ニックスでの新たな役割についてだった。ローズは現在、ニックスの主要なローテーションから外れる一方、ロッカールームではかけがえのない存在となっている。年長者だからといって決して大柄な態度を取ることなく、スターターを務めるジェイレン・ブランソンのサポートに全力を尽くしているという。
「ジェイレンのプレーを見ることで、僕の仕事は容易になる。彼は素晴らしい選手であり、勝者でもある。彼はカレッジで優勝し、高校時代も勝利を経験し、今はNBAの舞台で優勝しようと意気込んでいる。だから、彼を導くのも僕次第。強引にではなく、できるだけ多くの情報と知識を与えるように心がけているよ」
ファンからはブルズで引退し、殿堂入りを望んでいる声も。しかし、当の本人は派手な注目を集め、華々しい引退を飾ることに前向きではないという。
「どこに行っても愛を感じる。それだけで十分だよ。僕は脚光を浴びることが好きではないし、そう見られることが億劫なんだ。家族がジャージの永久欠番セレモニーに来てくれたら幸せかもしれないけど、どこか恥ずかしさもある。ちょっと変なことを考えてしまう。『あぁ、お祝いの場でみんなに感謝の言葉を述べなきゃいけないのか』ってね」
「コーチングには本当に大きな責任があると感じるよ。今の僕にとって最大の責任は、家族と過ごすこと。僕が一緒にいることを約束して、僕の時間を与え、彼らに僕の人生を捧げたい。家族との生活を噛み締め、土地を購入して、ベビーベットを作り、一人の男として尽力してきた。僕の資産を次世代に受け継ぐために、家族がいるのは幸せことだよ」
ローズは今後も過去の栄光にすがることなく、自分に正直に最後までデリック・ローズを全うするだろう。
文=Meiji
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