2025.08.16
いよいよNBAの新シーズン開幕が目前に迫ってきた。
この時期の優勝予想は、開幕までの醍醐味だ。ケビン・デュラントを迎えたヒューストン・ロケッツ、ブラッドリー・ビールとクリス・ポールが加入したロサンゼルス・クリッパーズは魅力の宝庫。一方、王者オクラホマシティ・サンダーは依然として磐石で、一昨年の覇者デンバー・ナゲッツも雪辱に燃えている。
『ESPN』の記者たちは、優勝候補の状況からそれぞれの弱点を分析。一見、付け入る隙のなさそうなロスターからも懸念点を浮き彫りにしている。

サンダーをけん引するシェイ・ギルジャス・アレクサンダー [写真]=Getty Images
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、チェット・ホルムグレン、ジェイレン・ウィリアムズと契約延長を成功させ、優勝メンバーのほぼ全員が残留するサンダーのどこに弱点があるというのだろうか。
キャリア20年のベテランライターであるティム・マクマホン記者をもってしても、明確な弱点を見つけるのは骨の折れる作業のようだ。
ケミストリーは昨年以上。ルーキーも全体15位指名でジョージタウン大学からビッグマンのトーマス・ソーバーを獲得。強いて挙げる点があるとすれば、懸念は“王者”としてのプレッシャーか。今季は玉座で待ち受ける立場となり、相手からの挑発やコンタクトも厳しくなることが予想され、若いチームが精神的成熟度を保てるかが鍵を握っている。

ナゲッツの大黒柱、ヨキッチ [写真]=Getty Images
ニコラ・ヨキッチと再び戴冠するために、フロントが決断したのは主力選手の入れ替えではなく、ロスターに厚みを作ることだった。
スターター級のビッグマンであるヨナス・バランチュナス、スコアリングの総合力を底上げするティム・ハーダウェイJr.を獲得し、優勝に貢献したブルース・ブラウンが復帰。ヨキッチ時代のナゲッツにおいて、ベンチの質は過去最高レベルにある。
しかし、課題のディフェンスで改善が進むかには疑問符が残る。昨シーズンの守備効率はリーグ21位。マイケル・ポーターJr.とキャメロン・ジョンソンのトレードは守備面ではいくらかのアップグレードのように思えるも、未だアーロン・ゴードンへの依存度の高さは拭えていない。

今季ロケッツにはKDが加入 [写真]=Getty Images
ロケッツの未来は、ケビン・デュラントに託されている。だが、37歳という年齢や、ゴールデンステート・ウォリアーズ在籍時代以外に優勝経験のないリーダーとしての懸念は各所で囁かれている。
アルペラン・シェングンの成長とスティーブン・アダムスの残留、アウトサイドからの得点を補完するドリアン・フィニー・スミスの加入など、ポジティブな要素も決して少くなくない。
そんな中でマイケル・C・ライト記者は、バックコートの安定した得点力に言及。フレッド・バンブリートにはトロント・ラプターズ時代を超えるパフォーマンスはなく、アメン・トンプソンもディフェンスの比重が大きめ。また、昨年のドラフト3位指名のリード・シェパードは初年度が平均12.6分のプレータイムに止まり、重要な役割を担えるかは不透明だ。

攻撃好きのメンバーをレナードがどのようにまとめるか [写真]=Getty Images
カワイ・レナード、ジェームズ・ハーデンの二枚看板に、ビール、CP3、ジョン・コリンズ、ブルック・ロペスという豪華メンバーの加入。ロスターにはイビツァ・ズバッツ、ボグダン・ボグダノビッチ、クリス・ダン、デリック・ジョーンズJr.も在籍し、クリッパーズはまるでテレビゲームのようなロスター構築に成功した。
問題は、新加入選手たちの個の強さとそれにともなうケミストリーの懸念。そして、もうひとつには攻撃型の選手過多、すなわちディフェンス面でのプラス要素が乏しいことが挙げられる。
レナードがリーグトップクラスのディフェンダーであることに疑いの余地はないが、同選手には常に健康面の懸念が付きまとう。また、ティロン・ルーヘッドコーチはスペーシングの都合から、ダンとジョーンズJr.の併用を避けており、新加入のコリンズには必然的に守備面でのステップアップが強く求められることとなった。現在のリーグでは攻め切って優勝まで駆け上がるのは、至難の業。そんな常識を覆せそうな面々ではあるが、果たして。
文=Meiji
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