2022.04.12
2月26日、27日に行われる「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」のWindow2・チャイニーズ・タイペイ代表戦とオーストラリア代表戦。注目集まる2連戦に向けて、トム・ホーバスHCはどのような選手たちを集めたのか。大会の予備登録メンバーに選ばれた24名のなかで、今回がホーバス体制で初めての候補入りとなる9選手を紹介する。
PG
今シーズン、島根スサノオマジックへ移籍し帰化を除く日本人選手でトップの平均得点(15.7)、アシストではB1トップ(6.6)とステップアップしている。オフェンシブなチームスタイルのなか、昨シーズンまでよりも平均出場時間(約33分)を伸ばしていることもあって、とりわけ3ポイントの試投数が平均7本以上と大幅に増えている。力強いドライブも得意だ。
2019年のワールドカップでは日本代表として3試合に出場し平均3.0点を挙げた。昨夏の東京五輪では候補選手となりながら本大会出場はならなかった。Bリーグ入り前はカナダ、フィリピンでのプレー経験もあり、リーダーシップの面でも成長を見せている。
米国の生まれ育ちで、ダンクなど高い身体能力を生かした爆発的なプレーが得意。3ポイントを含めたジャンプシュートの精度が課題だが、強いドライブと跳躍力を生かしたディフェンス力はBリーグでも屈指で、ジェッツ初優勝となった昨シーズンのファイナルでは重要局面で得点するなど“ディファレンスメーカー”となる時間帯もあった。
今シーズンは新天地へ移籍し、Bリーグ3年目で最多の出場時間を得つつ、B1トップの勝率を挙げるチームに貢献している。ポイントガードについては身長の高さをそこまで求めないと言われるホーバスHCだが、サイズと身体能力がありポイントガードも担うフリッピンをどう見るのだろうか。
SG
Bリーグ、日本を代表するシュート能力の持ち主で、2019-20シーズンには1試合で11本の3ポイントを決めている。正確無比に3ポイントを沈めるその姿は、ほかの選手達からも敬意を込めて「変態的」と言われる。昨シーズンは帰化選手を除く日本人選手でBリーグトップとなる平均16.8得点を挙げ、シーズンMVPに選出された。
今シーズンは長年所属したシーホース三河から島根スサノオマジックへ移籍。20年には6年ぶりに日本代表でプレーし、昨夏の東京五輪でも日の丸を背負った。五輪では出番が減ってしまったものの、高いシュート力を要求するホーバスHC体制でも重用される可能性がある。
フリッピン同様、海外にルーツがあり高い身体能力と俊敏性から繰り出す1on1が魅力。しかし今シーズンは開幕直後に右肩の脱臼による欠場もあって新指揮官、カイル・ミリングHCのバスケットボールのリズムを掴むことができていない。3ポイントの確率が低いところはガードとしてはホーバスHCの代表に入るにあたって無論、課題となるが、一方で、力強いドライブからの得点とペイントアタックからのキックアウトパスができるところをどれだけ強みとできるか。
2017年のU19ワールドカップでは八村塁(ワシントン・ウィザーズ)や今回の代表候補であるシェーファーアヴィ幸樹や西田優大(ともに三河)らと日の丸を背負った。
SF
日本人選手としては類稀な体躯と身体能力を兼備し、走力や体の強さを生かしてスモールフォワード、パワーフォワードの双方でプレーできる万能選手。近年は故障等に泣かされる期間も多く、今シーズンも開幕直後に左肩の脱臼を負った。大阪エヴェッサ時代には平均10点近くを挙げるなど得点力もある。決まりごとの多い川崎でのプレーを経てディフェンスやバスケIQをさらに高め、コートでは安定感を増してきた。
日本代表は2016年のアジアチャレンジ等で経験している。長距離シュートの確率はさほど高くないものの、1月の三遠ネオフェニックス戦では3ポイントを4本沈め、今シーズン最多の16得点を挙げている。
派手さはないもののディフェンスに長け、所属する千葉ジェッツでも先発出場を続ける仕事人タイプの選手で、オフェンスリバウンドやルーズボールに対してのハッスルぶりで強さを見せる。一方で今シーズンはオフェンス面でも力を入れており、それは3ポイントの試投数の多さ(1試合平均2.8本)や高い成功率(49.3パーセント)に表れている。
U18やU24、ユニバーシアードの日本代表としてプレーしており、2018年のアジア大会にも出場している。3ポイントの技量の向上から万能さを増しており、最近はシューティングガードとしての役割を担うことも。そのあたりがホーバスHCの目を引いたか。
PF
攻守でオールラウンドな活躍をする選手で、ビッグマンながらドリブルでボールプッシュをすることで相手ディフェンスのバランスを崩すことができる。リーグトップクラスのリーダーシップは有名で、タイムアウト中なども積極的に発言し味方を鼓舞する“闘将”だ。
昨オフには長年プレーした宇都宮ブレックスから移籍し、システム等が大きく異なることから全体的に個人の数字はやや落としているが、スタッツには関心がなく宇都宮時代は自身をポイントガードのような役割だと自認していた。2019年末に帰化を果たし20年2月に代表デビューすると、東京五輪メンバーの最終候補にもなった。
洛南高校時代にウィンターカップ3連覇。その後は「スラムダンク奨学生」としてアメリカのプレップスクールや大学でプレー。U15、18の日本代表でも活躍したが今回、31歳にして久々のA代表候補として選出された。国内リーグではビッグマンとして少ない出場時間のなかで外国籍選手とマッチアップすることもある。
今シーズンはB1に昇格した茨城ロボッツを新天地に。日本人選手としては恵まれた体躯だが、アメリカ時代に培ったスモールフォワードとしての技量も生かしてプレーする。3ポイントが武器でクイックリリースから精度の高いシュートを放つ。
C
NBL時代の2012-13シーズンに東芝(現・川崎)へ加入し、以来、一貫してブレイブサンダースの中心選手としてチームを常に優勝候補にしてきた元NBA選手。最大の売りはビッグマンでありながら卓越したシュートセンスを持ち、3ポイント、フローター、フックなど得点方法も多彩な点。Bリーグ初年度の2016-17シーズンはレギュラーシーズンMVPに輝いた。
2018年に帰化を果たした2019年ワールドカップアジア予選では連敗続きだったチームを本戦出場にけん引。本大会でも先発センターとしてプレーした。年齢が30歳台後半に入り身体的な衰えは見えるが、高いバスケIQと広い視野からのアシストパスでもチームに貢献する。
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