2025.05.18

Wリーグのルーキーイヤーを振り返った八木悠香、堀内桜花、ディマロジェシカの『京都精華学園トリオ』

久しぶりに勢ぞろいした京都精華トリオ [写真]=田島早苗
フリーライター

『春日井製菓 presents Wリーグオールスター 2024−25 in 代々木』が、5月5日、6日の2日間にわたって国立代々木第二競技場体育館にて開催された。初日となる5日には、Wリーグ2024-25シーズンの新人選手が対象(アーリーエントリー選手は対象外)の「フレッシュオールスター」も行われ、各チームのルーキーたちが2チームに分かれて戦った。

 一昨年、高校界を盛り上げた八木悠香堀内桜花ディマロ ジェシカ ワリエビモ エレ京都精華学園高校(京都府)出身の3人もそろってこの試合に参加。八木と堀内は同じチームで出場し、3人ともに終始笑顔で年に一度の祭典を楽しんだ。

 2023年、夏のインターハイ、秋に行われたU18日清食品トップリーグ、冬のウインターカップと3大大会を制した京都精華学園高校(京都府)は、3人を軸に圧倒的な強さを誇った。下級生の頃から同校の主軸を担った彼女たちは付属の中学時代から全国大会で活躍。中高とチームメートとして互いに支え合いながら切磋琢磨してきた。

 だが、高校卒業後は八木がENEOSサンフラワーズ、堀内がシャンソン化粧品シャンソンVマジック、ジェシカがトヨタ紡織サンシャインラビッツに団と別々の道に。そしてそれぞれが新天地でWリーグ1年目のシーズンを戦った。

 ここでは3人がフレッシュオールスター後に語ったオールスターの感想やルーキーイヤーについてお伝えする。

20204−25シーズン新人王…ディマロ ジェシカ ワリエビモ エレ

(トヨタ紡織/188センチ/センター)
レギュラーシーズンの主なスタッツ:25試合出場【1試合平均】得点14.11点/リバウンド15.36本/ブロックショット1.43本)

フレッシュオールスターでMVPを獲得したディマロ ジェシカ ワリエビモ エレ [写真]=W LEAGUE

 高さと走力を兼ね備えるセンターで「大樹生命 Wリーグ 2024ー25シーズン」ではルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。リバウンドでも並いるベテランたちを抑えてランキング1位、タイトルを獲得した。

「(フレッシュオールスターでMVPを受賞)オールスターは、いつもの試合の雰囲気と違っていたので、楽しかったです。いろいろな人とバスケットができたこともうれしかったです。

(コート上でのMVP受賞の挨拶について)すごく緊張したし、昨日も(アウォード表彰式)で同じように緊張しました。いつもみんなの前でしゃべるときは緊張するので、あまりしゃべらないようにしています(笑)。

(シーズンを振り返って)コーチたちが、私が困ってるときに『絶対あなたできるから、もっと気持ちを持って頑張って』と言ってくれました。頑張ったのはゴール下とリバウンドです。高校のときは名前があるようなオフェンスやディフェンス(の動き)はあまりなかったけれど、Wリーグではたくさん名前が出てきたので(何個もある決まった動きを)覚えるのが大変でした。試合中に忘れないためにも覚えないといけないと思っていましたし、少しずつ頑張って覚えることはできたと思います。

(中高校の先輩であるイゾジェウチェ[シャンソン]とのマッチアップについて)アーリーエントリーのとき(2023-24シーズン)もかなり緊張したけど、今年も緊張しました。でも、ウチェとやるときも、ほかの人との対戦のときと同じような気持ちを持って、『自分はできる』と思うようにしていました。

(来シーズンに向けて)もっと走って、ゴール下でしっかり(シュートを)決めて。チームプレーをもっともっと覚えていきたいです」

魅せるガードが確実に成長…堀内桜花

(シャンソン/167センチ/ポイントガード)
レギュラーシーズンの主なスタッツ:27試合出場【1試合平均】得点3.89点/リバウンド1.59本/アシスト0.93本)

堀内桜花はプレーオフのセミファイナルを経験 [写真]=W LEAGUE

 限られた時間の中で積極的な攻めを見せた攻撃型ガード。ゲームメークなど司令塔として勉強中ではあるものの、高校時代と変わらないトリッキーなパスで魅せるシーンもあった。

「(初めてのオールスター)大卒や高卒の代などいろんな方がいて、初めて話をした方もいましたが、すごく楽しかったです。

(1年目のシーズンを振り返って)チームとしてはベスト4。3年連続でファイナル進出の壁を越えられなかったことは悔しかったのですが、個人としてはセミファイナルを経験させてもらったことはすごく大きいことだと思っています。レギュラーシーズンでもプレータイムをいただいたので、来シーズンはもっと結果を残せるように。試合では先輩たちが『思いっきりやっていいよ』と言ってくださったのですごくやりやすかったですし、コーチたちも自分のプレーをすればいいとアドバイスをくれたので、自分の得意なこと、リバウンドなどはできたと思います。課題はゲームを作ること。バスケットボールはガード発信だと思うので、そこを一年で学んだ分、それは2年目につなげていきたいです。

(持ち味のノールックパスについて)試合ではパスが通ったときもあったけれど、高校のときと違って(相手の)身長が高くなったことで通らないパスもありました。あうん呼吸から生まれるプレーは経験などが必要だと思うので、試合をやりながら(経験を)積み重ねていきたいです。

(2人の存在)ジェシカは新人王を獲っていて結果を出しているし、(一昨年まで)一緒のチームでやっていてもさすがだなって思っていました。相手として見たときは、すごく走ってくるから嫌でした。八木もそれまでのポジションとは違うので大変だと思うのですが、リバウンドや走りというのはWリーグでも通用しているなと思います」

アウトサイドのプレーに進化…八木悠香

(ENEOS/177センチ/スモールフォワード)
レギュラーシーズンの主なスタッツ:27試合出場【1試合平均】得点4.67点/リバウンド3.59本/ブロックショット0.22本)

来シーズンはもっと3ポイントにも挑戦したいと八木悠香 [写真]=W LEAGUE

 高校時代から定評のある体の強さを武器にインサイドでは得点やリバウンドで奮闘。3ポイントシュートを含め、本格的に取り組んでいるアウトサイドのプレーでも成長の跡を見せた。

「(オールスターを終えて)参加した選手は、ほとんどが知らない方たちでしたが、試合をしていくにつれて仲良くなれたし、いろいろと交流することができたので良かったです。ただ、オールスターのような場は初めてだったので、ファンの方に喜んでもらえるようなプレーはどうすればいいのか考えながらでした。

(1年目のシーズンを振り返って)うまくいくことだけではなかったのですが、自分にとってすごくいい経験になったシーズンでした。通用したなと思うところは、誰とでも合わせのプレーができたこと。逆にこれからの課題になるのは、3ポイントシュートとスクリーンに対してのディフェンスなど3番ポジションで出たときのディフェンスです。そこは高校時代には全然やっていなかったのでもっと頑張らないといけないと思います。また、3ポイントシュートは課題ではありますが、今シーズン、シュートが入ったときにチームのみんなが驚きながらも喜んでくれたのでうれしかったです。

(2人の存在)堀内やジェシカが活躍してるところを見ると自分ももっと頑張らないといけないなと思うので、2人は自分をもっと頑張らせてくれる存在だと思います。

(2年目のシーズンに向けて)来シーズンは3ポイントシュートをさらに磨いて、自分の強みである合わせのプレーやもっと積極的に点を取ること。ドライブも積極的に仕掛けて行きたいです」

 1シーズンを通して様々な経験した3人にとって手応えも課題も、すべてが今後の成長への糧となるだろう。チームでの立場は各々異なるが、自らの色を出しながら勝利に貢献しようと前進を続ける京都精華学園トリオたちの2シーズン目にも期待がかかる。

取材・文=田島早苗

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